2022年9月15日木曜日

最も安い歯科用カメラ 2 (リコーWG-6)





バンド(拡大)
歯列模型(下顎)


実際の撮影結果を示す。まずリングストロボを有効に利用するために、設定を行う必要がある。ダイヤルの「Auto」ではリングストロボが使えないので、この設定は「P」モードとする。そしてストロボモードを「リングストロボ」に設定する。それと忘れないようにして欲しいのが、フォーカスモードでこれを「マクロ」にしておく。さらにホワイトバランスも「リングストロボ」に設定しておく。私の場合、通常、1/3倍で写しているが、このカメラではズームを操り×2.7くらいがいい。まとめるとPモード、リングストロボ、フォーカスモード(マクロ)、ズーム(×2.7)の条件で撮影する。ただこのカメラを使った初めての撮影なのか、上下咬合面のミラーを使った画像のピントがやや甘い。今まで使っていた歯科用カメラは、実像に比べてやや赤みが強く、このWG-6ではホワイトバランスを”Auto"にすればやや白く、”リングストロボ”にすればやや黄色いが、どちらがいいかは選んでほしい(下記写真の上がAuto、下がリングストロボ)。解像度はやや甘いが、通常の口腔内撮影であれば、十分な範囲である。ただこのカメラではPモードでも露出優先、マニアル撮影ができないので、被写体深度の調整ができないのが難である。これまでの歯科用カメラは全てマニュアル設定、口腔内は、正面、側方は絞りF20、シャッタースピード200、上下咬合面はF1816、顔写真はF5、瞳にオートフォーカス撮影していた。出来るだけ絞りを大きくして撮影していたが、WG-6ではこうした操作ができず、全てオートとなり、見ているとF5.6、6.3とかになり、やや被写体深度が浅い。顔写真については、ダイヤルを" Auto"にすれば、通常のカメラ同様に全く問題はない。また画像修正が容易なraw画像での保存ができず、全てjpeg画像のみとなる。

 

他に技工物や、前歯であれば、かなり拡大して撮影できるし、印刷物の撮影など、日常の院内の記録には、このカメラ一台でほとんど対応できる。歯科用カメラを持っていない歯科医院では一台持っていて、必要な時には口腔内を撮影すれば良い。かなり軽いし、落としても壊れず、衛生士やカメラ初心者にも扱いやすい。実際にかなり乱暴にしても壊れないため、子供用のカメラにしている例もあり、カメラとしての操作性も簡単で、扱いやすい。スマホのカメラ機能が高く、今月号のクインテッセンスにもスマホに専用のリングストロボを使った口腔内撮影法が紹介されていたが、個人的に自分のスマホに患者の写真など仕事上の記録を入れたくないし、それ専門のスマホを買うくらいならカメラを買った方が安い。ただ欠点としては、このリコーWC-6は患者からすれば安っぽく見られることくらいか。

 

画像管理ソフトは色々あるが、歯科用となるとかなり高くなるので、“Word”である程度の雛形を作り、そこに画像を貼っていく方法が良い。この場合、まずIDを作る必要があるが、一番簡単なのは、まず最初に患者のカルテの表紙を撮影する。カルテ番号や氏名などがあるので、IDとなる。ワードの雛形は、カルテ番号、名前欄、そして大きさを揃えた顔用の3つのテキストボックス、口腔内写真用の5つのテキストボックスを作っておく。顔用は正面、斜め、側方の3つのポーズ、口腔内は正面、左右側方、上下咬合面の5枚の写真を一群とする。まず撮影したSDカードを、私の場合はアップルなのでプレビューで画像を見る。そして最初に撮影したカルテ表紙から、ワードの雛形のカルテ番号と名前を打ち込み、次に画像をワードに大きさを合わせて貼っていく、上下の咬合面は上下左右を反転して貼っていく。ここまで慣れれば5分くらいで終了する。その後、A4くらいの写真用紙に”印刷品質“のきれいで印刷していく。少し高いがエプソン用紙であれば、ライトに印刷するのが綺麗である。

 

私の診療所では写真撮影は全て私がすることにしている。そして撮影した写真のコンピュターへの入力と管理はスタッフに任せているが、なぜだか知らぬ間に写真の印刷は私が担当することになってしまった。忙しい時に、SDカードを机に置かれ「先生、お願いします」と言われて、セコセコと画像を貼っていき、印刷するが、これが面倒であり、先生方は是非、スタッフにさせるようにして欲しい。またSDカードも容量の多いものを使うと、保存、プリントに時間がかかるため、2GBくらいのもの、あるいは撮影したらすぐにプリントするくらいが良い。容量の大きいSDが満杯になってから処理しようとすると莫大な量となる。


口腔内撮影(正面)






口腔内写真(クローズアップ)









口腔内写真(矯正治療中)

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