2022年9月15日木曜日

最も安い歯科用カメラ 1


 

         



解像度は、普通

マクロでの撮影だが、これも画像としては普通



鹿児島大学歯学部矯正歯科学講座のOBによるアンケート結果に、リコーのWG-6が歯科用カメラとして使えるのではないかという意見があった。リングフラッシュ付きという珍しいカメラなので、気にはなっていた。口腔内写真は矯正歯科では必須のもので、以前、フィルムカメラの時代は、ニコンのメディカルニッコールという専門の撮影カメラを用いて検査を行った。フィルム写真なので、写真屋にフィルムを出して現像が出来上がるには少なくとも3日後となるため、うまく撮影できたかはすぐにわからない。新人教育では写真撮影も実習するが、撮影と結果の時間的なズレが苦労した、今はデジタルカメラで撮影してすぐに結果が出るので、こうした新人教育も楽になった。

 

現在、診療所では、ニコンの一眼レフカメラにシグマの70mm マクロレンズ、HISのリングフラッシュというもので、かれこれ13年近く使っている。1/3倍の倍率、露出20、シャッタースピード1/200、手動でピントを合わして撮影している。現在、同じようなシステムを組むと、安くあげても15万円くらいになると思う。矯正専門で開業しているなら、口腔内写真用のカメラとしてこれくらいのものを持ってもおかしくはないが、一般歯科ではもったいないような気がする。一般歯科では、もっと簡単で、手軽な製品に人気はある。松風のアイスペシャルという27万円もする歯科用カメラがあるが、1200万画素のカメラとしては高い。あまり利用機会がない歯科医院では敷居の高い値段である。リコーのWG-6はアマゾンでの価格は税込み43380円で、安くはないが、他の歯科用カメラよりは安い。私の場合は、神奈川県海老名市のふるさと納税の返礼を受け、先日、カメラが届いたので、その撮影結果を二回に分けてレポートしたい。

 

結論を先に言おう。リコーWG-6は十分に歯科用カメラとして使えそうであり、それほど撮影頻度が高くない一般歯科では、これくらいのカメラで十分であると思われる。昨日は日曜日であったので、このカメラを持って散歩に出かけ、色々と撮影したが、正直、有効画素数が2000万画素とされるにしては、解像度は低い。撮影した画像をコンピュター上で見るのだが、大きく拡大すると、途端に解像度が低下する。私の持つ、シグマのSD Quattro3900万画素には及ぼないのはわかるが、ソニーRX1002020万画素に比べてもかなり解像度が落ちる。実際の風景写真を比べると、上記シグマ、ソニーの写真は立体感があり、画像自体に力があるが、このリコーWG-6の画質はかなり落ち、平凡である。ソニーのRX-100がアマゾンの実売で54800円、リコーWC-643380円だが、日常使いのカメラとしてはソニーが圧倒的に優れている。

 

 リコーWG-6は、防水20m、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgというヘビーディーティの仕様となっており、工事現場での活用を目的にしている。さらに近接したものまで撮影できるように通常のストロボとは別にレンズ内にリングストロボを内蔵している。これが大きな特徴となっていて、顕微鏡モードという1cmの超近接での撮影が可能である。歯科用カメラでは、マクロレンズと影ができにくいリングストロボのコンビが必要であり、現状では80-100mmのマクロレンズ(Nikkor 85mm macro, Tamron90mm)、ニッシンデジタルMF18と安い一眼レフカメラでいいであろうが、それでも10万円近くとなる。


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