2022年9月8日木曜日

あなたの愛読書は


Tom's Midnight Garden



大好きな本というテーマで友人と話した。大好きなというと、何度も読んだ、長年読んだということになる。私の場合、年間200冊以上、これを30年以上続けているから、すでに6000冊以上の本や漫画を読んできたが、2度以上読む本はほとんどない。確かに本やブログを書くために、弘前の郷土関係の書物は何度も読むことがあっても、それ以外の本は一度読めば、二度と読むことは少ない。そのため、本自体には愛着はあまりなく、読めば、すぐに古書店に売る。それで大好きな本と言われてもすぐに思いつかない。ある人は聖書と答えたが、これを普通の本に入れるわけにはいかないし、また漫画という声もあったが、確かに漫画も本の分類に入れてもいいとは思うが、今回は漫画以外の本について議論した。

 

私の場合、漫画はかなり速読でき、読んだことのある漫画を二度目に読むときは、多分一冊15分くらいで読める。また映画は、早送りで見ることができる。ところが、本の場合は、文字を目で追う作業があるために、一回目よりは時間は早くなるが、それでも相当時間はかかる。そのため、一冊の本を何度も読み、内容を頭に入れたいと思う人は、重要と思われる箇所に下線を引き、二度目に読むときはその部分を読む。私の場合も、本の感想を書くときは、こうした方法をとる。

 

昔、それも高校生の頃、家庭教師をしていたM先生の指導方針で、本を読むとその感想を述べ、それついて議論する時間があった。そのため、大学に入ってもしばらくは、本を読むときには重要な箇所に下線を引き、欄外に意見、感想を書き込む、出来るだけ本を汚して内容を理解する方法をとっていた。こうした方法により、本の内容に対する批判能力は高まったが、これは読書というよりは学習に近く、こうして何度も読んだ本は愛読書とは言えまい。

 

結局、4人のグループで話したが、2人はそれほど本を読まないのか、特に大好きな本はなく、もう一人はアメリカの児童書「シャーロットのおくりもの」を挙げていた。どんな本か知らなかったので、早速アマゾンに注文して読んだ。原題は「Charlotte’s Web」、シャーロットとは主人公ブタの友達のクモの名で、Webといえば何だかコンピュータ関係かと思われるが、原語の“クモの糸”のままである。このクモの糸が奇跡を起こす。児童書も候補に入れてもよければ、私の場合は、イギリス児童文学の傑作「トムは真夜中の庭で」を挙げる。少なくともこれまで三度は読んだ。その幻想的な描写、特に川をスケートで下るシーンは記憶に強く残る。この本は、確かBBCによりドラマ化され見たが、これも本同様に面白かった。

 

個人的に、もう一度読んでみたい本は、トルストイの「戦争と平和」と司馬遷の「史記」の2つの大著である。いずれも20歳代にざっとであるが、読んで感動した記憶があるが、その後、あまりのボリュームに怖気付き、チャレンジしたことはない。また森鴎外の「渋江抽斎」は弘前が関係しているので、これも何度も読んだが、途中で挫折し、最後まで読んだのは一回だけである。内容が難しく、単調なためである。

 

本自体は、随分捨てたが、それでも本棚には数百冊の本がある。もう一度、読もうと思って、捨てずに残された厳選の本なのだが、この本棚を調べてみても、二度は読んだ本は、宮本輝の「花の回廊 流転の海」、司馬遼太郎の「街道をゆく 北のまほろば」くらいしかなく、私の場合は、愛着の本というのはどうもなさそうであり、結局、最もよく読む本は自分の書いた本くらいで、これも出版後はほとんど読まない。




 

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