2022年12月2日金曜日

青森県のトリビア

 




 

1.     幕末の頃の人口(1850)

 江戸時代末期の日本の都市人口は今とはだいぶ違います。ランキングでは

 

 1.江戸115万人、2. 大阪33万人、3. 京都29万人、4. 名古屋12万人、5. 金沢12万人、6. 広島7万人(1873, 8. 和歌山6万人(1873)、9. 仙台 4.8万人、10. 徳島 4.9万人(1873, 11. 萩 4.5万人、12. 首里 4.5万人、13. 熊本4.1万人、14. 堺 4.1万人、15. 福井 3.9万人、16. 弘前3.7万人、17. 松江3.6万人、18. 富山 3.3万人、19.  高知 2.8万人、20. 秋田2.7万人となっています。

 弘前の人口は、1850年で37000人、全国では16位、東北地方では仙台に続く大都市でした。明治6年の調査でも32886 人で全国22位でした。ところが2018年で177411人、全国では151位となっています。ちなみに青森市は1852年では7779人で、今は287648名と40倍近く増加しました。

 江戸時代の弘前の人口の内訳は、家中(士族、卒族)23431名、町方14086名、合計37517名(1853 年)で、家中が人口の62.5%、町方が37.5%となります。金沢で家中の割合が42.8%、松江で43.2%、高松で17.5%、鹿児島で34.6%、他藩に比べても家中の割合が高いことがわかります。

 

2。 弘前大学

 県庁所在地以外に国立大学があるのは、滋賀大学(彦根市)、信州大学(松本市)、弘前大学(弘前市)の3つだけです。滋賀大学は教育学部と滋賀医科大学は県庁所在地の大津市にあり、信州大学も工学部は長野市にあります。

 戦前、弘前市には旧制弘前高校がありましたが、青森師範学校や青森医学専門学校は青森市にあり、空襲で校舎が焼失したため、弘前市に誘致しました。国立大学(総合大学)名は、多くは県名(岩手大学、愛媛大学)や広域名(東北大学、九州大学)、あるいは県庁所在地(神戸大学、金沢大学)からつけられますが、それ以外の市名がつくのは弘前大学だけでしょう(筑波大学はつくば市よりは広域名から)。

 

3。 青森県の特徴

1)陸海空軍

 陸上自衛隊としては青森県には第9師団が配置され、約7000名の兵力を有します。さらに海上自衛隊は大湊基地やミサイル防衛のための釜臥山のガメラレーダーや車力分屯基地にはパトリオットミサイルを配備するほか、大湊航空基地もあります。また航空自衛隊は三沢基地があり、最新鋭のF35戦闘機が配備されています。青森県は本州最北部の地形から自衛隊の陸海空の大規模な基地が配置されています。

2)自給率

 食料自給率はカロリーベースによる食料自給率は118% で、全国4位、米は319(全国97)、野菜は247(75)、果実は579(33)、魚介類は289(64)とかなり高く、牛肉、豚肉、鶏肉も全国平均自給率の2から4倍となっている。ほぼすべての食料が自給できます。

 エネルギー自給率は、太陽、風力などの再生可能エネルギーによる自給率は10.64%、全国5位で、風力発電の導入量は日本一です。かって東通原子力発電所(110KW)が稼働し.東京電力1号機(138.5kW大間原子力発電所(138.8kW)が建設中、同規模の原発が他に2基計画中で、実現すれば電力輸出県となっていました。

3)三方が海

 青森県は日本海、津軽海峡、太平洋の3つの海に囲まれた県であり、同様な県は北海道を除くと山口県と鹿児島県、沖縄県くらいしかありません。日本海でのカニ、ハタハタ、太平洋のカツオ、サバ、サンマなど多くの種類の魚がとれます。

4)弘前市、青森市、八戸市

この3市はいまでも仲がよくありません。八戸市は、もともと八戸藩があり、盛岡藩のあった岩手県の方が文化、言葉、料理も近いところです。ところが明治になり、盛岡藩が反政府であったこと、下北に移住してきた斗南藩が困窮のため、弘前藩との合併を願ったことなどから、盛岡藩北部1/3、八戸藩と弘前藩の所領が一緒になって青森県が成立しました。これにより県庁所在地は、青森県の中心で将来的に発展の見込まれる青森市となりました。青森市は商業都市として発展したので、士族町として傲慢な弘前市とは反目します。

0 件のコメント: