2023年2月12日日曜日

国立大学教育学部、附属学校は閉鎖すべきである

 


筑波大学教育学類の一学年の定員は35名だが、附属学校は11校もあり、すべて東京にある。つくば市には附属学校はなく、学生の実習には関係していない。すべて閉鎖か、残すなら国立から都立にすべきである。


前回のブログでは、国立大学附属学校の廃止を述べた。よく考えれば、次の天皇と目される悠仁さまが筑波大学附属駒場高校に入学したことが最近、話題になったが、筑波大学、昔の東京教育大学、東京高等師範学校の附属学校のことである。もともと師範学校附属学校の意義は、新しい教授法を実践、練習するための施設であると同時に全国に設立されつつある小学校のモデル校であった(Wikipedia)。あるいは教員養成のための教育実習の場、実験的・先導的な教育課題の研究の場、現代的教育課題に対応した教員養成に関する研究への協力の場などとされている。

 

まず附属学校がなくなったら、どうであろうか。OBからすれば寂しいと思うかもしれないが、元々の上記目的は公立学校での教育実習などで全く問題なくできるし、先導的な教育課題、現代的教育課題では、入試で合格した優秀な生徒しかいない附属学校では研究もできず、落ちこぼれ、不登校、学習、発達障害の子どもたちの教育問題を試せない。つまり無くなっても誰も困らない存在であり、そもそも国が税金を使って金持ち、皇族が入る進学校を運営する意義を全く感じないのである。地元の弘前で言えば、弘前大学教育学部附属幼稚園、小学校、中学校は完全に教育熱心な家の子どもが行く学校となっており、弘前高校に入る近道として小学校から塾に入り、受験勉強をして中学校に入る。筑波大学附属高校など、全国にある国立大学の附属学校も同様であろう。少なくとも教育実習機関であるなら、入試試験をして生徒を選抜する段階で学校の設立目的からアウトである。つまり成績の良い生徒は、別に誰が先生であっても自分で勉強する能力があるし、教師の卵が実際に小学校や中学校に勤務した時の参考にもならないからである。さらにいうと、そもそも教育学部には乳幼児、小中学校コースはあっても、高校教師を育てるコースすらなく、学ぶ生徒もいないのに、なぜ附属高校を作り、そこに皇族を入れるのか、不思議である。

 

全国のほとんどの国立大学附属中学校、高校には入学試験があり、進学校になっているところが多い。ひどい例で言えば、神戸大学には1874年の師範学校からの歴史がある教育学部があった。ところが時代の変化に伴い今では国際人間科学部の中の発達科学部・人間発達環境学研究科となり、また兵庫教育大学もできたため、純粋に小中学校を担当する子ども教育学科の定員はたった50名しかいないが、昔は住吉小学校、中学校と明石小学校、中学校の2つの附属学校があった。さすがに多いと思ったのか、2010年に明石校は閉校し、2009年には住吉校が神戸大学附属小学校、中等教育学校となっている。以前は高校がなかったが、これを機会に中学校を前期課程、高校を後期課程と編成替えをしている。元々の教育学部でも高校教育課程はなく、それゆえ小中学校の教員養成のために附属の小学校、中学校を作ったが、生徒の通学圏、阪神間では私立の中高一貫が多くあり、附属小学校から中学校への進学率が低くなる、あるいは中学卒業後、公立高校以外の進学が難しいなどの、内部の事情で高校を併設するようになったと推測する。まるっきり附属学校を作った目的とは反し、それでなくても激しい阪神間の受験競争を助長しているだけである。それに比べると定員も多く、実質的な兵庫県の教員育成に関与している国立兵庫教育大学の附属幼稚園、小学校、中学は学力選抜していないだけましであるが、それでも附属学校を作る意味は少ない。普通に考えると、神戸大学は定員わずか一学年50名のために、附属幼稚園、小学校、中学校、高校を作ったのだから税金の無駄遣いと言われても、何も言えないであろう。東北大学教育学部附属学校は、宮城教育大学の創立とともに、宮城教育大学附属学校となり、今は学部があっても附属学校はない。神戸大学においても兵庫教育大学ができた時点で、附属学校を閉校すべきであり、変な小細工をすべきでなかった。

 

話は脱線したが、こうした全国の国立大学附属学校については、どこもほぼ附属学校としての存在価値はなくなっており、すべて閉鎖すべきである。教員課程の実習は附属学校がなくてもいくらでも実習先はある。そして社会に求められているのは、従来の教育ではカバーしきれていない子供達への教育であり、それが大学における研究テーマであり、税金を投下しても必要なことである。大学の附属病院の存在価値は多くの国民から支持されており、従来の附属小中学校もある意味、大学病院のような存在になってほしい。発達、学習障害、不登校、落ちこぼれ、非行に走る子供達への教育、日本語のできない外国人への日本語教育、知能が高いGiftedの子供達への教育などを行う国立の教育学部附属の教育支援学校センターへの転換、設置を望む。

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