2023年5月3日水曜日

いいお店とは


 


ここ10年、レストラン、美容院、医院、歯科医院はグーグルや食べログなどの口コミサイトで評価され、その点数に従って選択する人がいるが、一方、こうした評価は、かなり恣意的であり、これを参考に選択すべきでないといった声も高い。

 

私の考える、いいお店の条件として次の三点を挙げる。

 

1.創業が古い

2.お客が多い

3.宣伝が少ない

 

レストランなどの飲食業では、開業して3年以内に半分のお店が潰れるという。逆に言えば少なくとも5年以上、店を続けていることは、それなりの固定客、リピーターがいることを意味する。今時はいくら安くても、まずいお店は淘汰されるため、歴史があるお店はそれだけ、長い期間、お客から支持されていることを意味する。例えば、弘前を代表する老舗の蕎麦屋、「高砂」は創業100年以上経つが、いまだにお客は多い。ただGoogleの口コミを見てみると、まずい、待たされるなど1、2点をつける人がいるが、これは個人の意見であり、仕方ないが、それでもこうした口コミを書く人は県外からの観光客で、東京の蕎麦屋と比較して通ぶったコメントをしている。自分の舌に合わなければ、もう二度と行かなければいいだけなのに、口コミに1点つけて、まずいは、ここのお店を長年、愛している地元の客を馬鹿にしていることになる。

 

「オモウマい店」というテレビ番組が好きでよく見ている。やはり共通しているのは、歴史が長く、店は汚いかもしれないが、お客は多い。流石に私のような年寄りには、どの店も料理の量が多くて、行く気にはならないが、それでも若い人にとっては、安くて、ボリュームもあり、美味しいとなれば、人気店になろう。ただテレビに取り上げられ、お客が多くなりすぎるのも困ったもので、取材拒否をする店も番組の人気とともに多くなるだろう。もちろんこうした店はほとんど自分からは宣伝しない。月に一度は食べないと気がすまない店があるが、こうしたところは美味しいことは美味しいのだが、それほど感動するほどのものでもなく、極めて普通の味である。普通の味だからこそ飽きられずに、多くの常連を抱えることになる。家庭料理が飽きないと同じように、長く続くお店はこうした安心感があるので、リピーターとなる。

 

同様なことは、医院や歯科医院でも当てはまり、長年、多くの患者が来るところは、何らかの魅力がある、いいところなのであろう。もちろん飲食店と医院の評価を同じにするのはおかしいことであるが、医院の口コミサイトでも、患者から最低な歯科医院で、こんなところに来るなといった辛辣なコメントがある。もちろん、本当なら患者は来ないし、空いているはずであるが、実際は全く逆で予約も取れないという医院がある。そんなにひどい医院であれば、誰も行かないと思うが、おかしな話である。こうした歯科医院や医院で、患者が多いところは、宣伝はほとんどしない。宣伝する必要がないし、そもそも医療は宣伝して患者に来てもらうところでないと考えているのだろう。私の知っている多くの矯正歯科医院も、かなり多くの患者が来ているが、ネット上ではほとんど宣伝していないし、医院によってはホームページすら開設していない。逆に言えば、宣伝が派手で、広範囲にしているところは患者が少ない、あるいはより多くの集患を目指したものである。さらにいうと、一般歯科医向けに矯正歯科の講習会などを頻繁に開催している先生がいるが、患者が多くて忙しすぎる先生は、とてもじゃないが、講習会を開く暇はない。

 

最初にいいお店の条件として、1、創業が古い、2。お客が多い、3、宣伝が少ないとしたが、これの逆、1。創業が新しい、2。お客が少ない、3。宣伝が多いとなるが、これは新しく開店すれば、仕方がないことである。「バナナマンのせっかくグルメ」という番組がある。バナナマンの日村さんが全国各地を車で回り、地元の人に美味しいお店を紹介してもらう番組である。こうしたお店は、ほとんどいいお店の条件をパスしていて、おそらくまずいところは一つもなかろう。今の人は観光地に行っても、ついスマホで店を探そうとするが、そんなものを信じるくらいなら、歩いている人に尋ねたほうがよほど美味しいお店に辿りつける。

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