2026年1月18日日曜日

共産主義と独裁制が結びつくと

 



第二次世界大戦後の大規模戦争(紛争を除く)をみてみると、まず朝鮮戦争は共産主義国の北朝鮮が民主主義国の韓国に侵入して始まった戦争で、北朝鮮には中国、ソ連が支援し、韓国にはアメリカはじめ民主主義国の欧米諸国が支援した。典型的な共産主義国家vs民主主義国家の戦争である。次に、ベトナム戦争は、共産主義国の北ベトナムがラオスを経由して、ベトコンを侵入させ、それが戦争に繋がった。これも北ベトナムにはソ連と中国が援助し、共産主義国vs民主主義国アメリカという構図となっている。その後、ソ連の崩壊に伴い冷戦状態は終了し、共産主義国家vs民主主義国家という抗争はなくなったが、イランーイラク戦争のようなイスラム教内の宗派対立、フセイン独裁国家による宗教国家イランへの侵攻があり、また中越戦争のような共産主義国同士の戦争もある。まずポル・ポト率いる狂信的な共産主義国のカンボジアがベトナム国内に越境し、そこの住民を虐殺する、それに対してベトナムが反撃して、ここにカンボジア・ベトナム戦争が発生、さらにポル・ポト政権を支援する中国がベトナムに侵攻するという共産主義国家同士の三つ巴の戦いがあった。

その後の大きな戦争といえば、湾岸戦争とそれに続く、イラク戦争で、これもフセイン独裁国家によるクエート侵攻に起因する。独裁国家vs民主主義国家アメリカの構図である。最近のウクライナ戦争は、一見すると民主主義国家ロシアvs民主主義国ウクライナによる戦争にように見えるが、両国とも共産主義国的な面影を残し、プーチンという独裁者が引き起こした戦争といえよう。民主主義指数というランキングによれば、日本は16位に対して、ウクライナは92位、ロシアにいたっては中国(145位)以下の151位となっていて、両国とも独裁政治体制と分類されている。ちなみに政治体制分類では完全民主主義、欠陥民主主義、混合政治体制、独裁政治体制となり、北朝鮮165位、ラオス160位、キューバ135位と、共産主義国は軒並み低い。

 

こうした第二次世界大戦以降の大きな戦争をみると、共産主義国あるいは独裁者が発端となるケースが多い。これ以外のケース、民主主義国家同士、独裁者のいない戦争というと戦前の大東亜戦争の日本くらいしかない。日中戦争でいえば、軍事国家とはいえ民主主義国で独裁者のいない日本vs蒋介石という独裁者の中華民国の戦いで、同様に太平洋戦争では民主主義、アメリカ、イギリス、オランダとの戦争と言える。戦前の日本は、本当に特殊な国で、人民による選挙により指導者が選ばれる民主主義国家で、天皇には権限はなく、東條英機とはいえ、ソ連のスターリン、ドイツのヒトラー、イタリアのムッソリーニのような独裁者とはいえないし、そもそも彼のせいで戦争を起こしたわけではない。あたかも19世紀のイギリス、ドイツ、フランスによる帝国主義的な思想で戦争を起こした。指導者が起こした戦争というより民意が起こした戦争ともいえる。

 

こうした共産主義国家、独裁者という戦争の条件をみると、現況で、最も危ないのは北朝鮮と中国で、どちらも共産主義国家で、金正恩、習近平という独裁者がいる。こうした国では、独裁者の決断のみで戦争をおこすことができる。共産主義の原則、プロレタリアート(共産党)独裁がある限り、常に戦争を起こすリスクがある。

 

民主主義国家は、貧富の問題という大きな課題を有するが、それでも近代において、独裁制でない民主主義国家間で戦争がないことから、平和という点では、優れた制度である。戦争という愚行は、民主主義国家では認められにくいからだろう。民主主義国で、国民から選ばれた政治家が、ロシアのウクライナ侵攻のようなコスパの少ない戦争を選択することはない。例えば、無人島の尖閣諸島を巡って、中国が日米と戦うという馬鹿げた選択は普通の感覚からは絶対に選ばない。同様にいくら台湾を重要とはいえ、武力侵攻で吸収しようというのは、場合によっては核戦争、第三次世界大戦になるリスクがあり、独裁者以外はそうした決断は絶対にできない。多くの識者が恐れているのは、共産党と独裁者が結びつくことで、現在、習近平はほぼ13年で、あと任期は2年あり、さらに延長しそうである。ロシアのブーチンが延べ21年の大統領、スターリンは29年、プレジネフの18年で、いずれもウクライナ戦争、独ソ戦、アフガニスタン侵攻を起こした。日本共産党のスローガンとして戦争のない平和な日本を唱えるが、そのためには世界中からまず共産党、独裁政治体制をなくすことが近道となる。少なくとも独裁政治は怖い。

民主主義国はどうかというと、アメリカのトランプ大統領が任期延長を行うことで、これは一種の独裁制となる。過去にはフランクリン・ルーズベルトが4期目の最初に急死したが、太平洋戦争に参戦したことを考えると、トランプの3期目はどうか。


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