2012年3月11日日曜日

須藤かく 4



 もう資料はないかと思ったが、Google検索すると、さらに二つの新聞記事があったので、報告する。

Rome NY Rome Evening Citizen 1895年9月18日

二人の日本人婦人

彼女らはシンシナティで医学を学んでいる
自分で費用をかせぐ
3年間の(医学)過程を終えるには2500ドルの費用がかかる。このためにRomeに滞在した。
午前中— 彼女らはCamdenで休暇を過ごした。

 三人の人々、とりわけ、その中の二人は午前中の中央停車場では大きな注目を浴びた。中国、日本での宣教から帰ってきたCamdenのアデリン・ケイシ医師と5フィート4インチの二人の日本人婦人である。この日本人の名前は、24歳の須藤かくと22歳の安倍(阿部)はなである。この国での保護者であるケイシー婦人の故郷で6週間の休暇を過ごした。普通のアメリカ人の装いをし、奥ゆかしい若い婦人である。彼女らは、中国語や日本語で授業が行われているように、完全にこちらのやり方で、英語での授業を受けている。彼女らは朝の8時45分にRomeに到着し、11時11分の汽車でシンシナティーに帰る予定である。シンシナティーで彼女らは医学校に勉強しており、来年の4月に3年間の過程を終え、卒業する予定である。彼女らは4年前にアメリカ人に来た。彼女らはアメリカの生活やアメリカ人のことが好きである。
シンシナティーでの勉強には2500ドルの費用がかかる。講演をしたり、中国の皇帝(天皇?)についての話しをしたりして、その費用を工面している。自活する以上のたくさんのお金をもらっていると誇らしげに語った。勉強が終了したら、日本に帰り、日本人や中国人の中で、宣教医として働くことになっている。
 ケイシー婦人と日本の婦人は、学びことに喜びをもち、宣教医としての仕事にすべてに深い興味を持っている。
 この若い婦人はこの4年間で22の州で講演を行ってきた。彼女らが勉強している大学は長老会病院のLaura女子医科大学である。ケルーシ女史によれば、この日本の小さな女性はクラスでも飛び抜けており、いい成績で卒業できるだろうと語った。


 さらにSyracuse NY Daily Journal 1981年10月15日、これは須藤かくと安倍はなが日本に来た時の記事であるが、ここには二人を医学校に行かせるための財団を作るような話が載っている。画像が悪く、半分以上、解読不能であるため、全文の訳はできないが、一部を訳す。
First Presbyterian 教会で、少額の入場料をとって横浜のケルシー医師と彼女が日本から連れてきた二人の学生と助手、須藤かくと安倍はなの歓迎会を催した。彼女らが医学教育を受けられるようにするため財政的な助けをしようというものである。教会では数年に渡り、安倍はなの教育に関心があり、色々な催しもしたが、あまり関心を引かなかった。ケルシー医師が日本から持ち帰ってきた美しい着物や珍しいコレクションは、日の登る王国では部屋に飾ったり、宗教的な儀式で使われたもののようだ。これらの品は日本人がケルシー医師の治療行為に感謝してくれたもので、須藤らの教育資金のために寄贈し、売ってほしいとのことである。

 これらの二つの新聞記事からは、須藤かくと安倍はなは1891年に渡米し、1893年に女子医科大学に入学し、1896年の春に3年の過程を卒業したことになる。その後、Eastern大学で学びながら、1898年に日本の横浜に来て、根岸病院で働く。医学部の学費は、二人の保護者であるケルシー医師が日本で患者さんから貰った日本の工芸品などを売ったり、あるいは教会での講演などで工面したようである。未知の国から来た若い女性に対して、アメリカ人も積極的に支援したことが伺われる。ただ須藤かくは、1861年生まれであるが、ここでも、10歳ほど年齢を若くしている。今でこそ30 歳で医学を学ぶということは、ごく普通であり、むしろ賞賛されるものであるが、当時のアメリカでも、少し奇異な感じがもたれたことと、日本人は若く見られたことによる。

 ここでケルシー医師が寄贈した日本のコレクションは現在でも、シンシナティーにあり、その管理者(館長)が須藤かく、安倍はなのことを知りたがっているというのを前回のブログにコメントいただいき、初めて知った。こういったブログは思わぬ、繋がりを与えてくれる。

*コメントにSyracuse NY Daily Journalの正確な英文をいただきました。私の悪訳も一緒に載っています。

4 件のコメント:

えんぴつ さんのコメント...

日は。

今朝のブログの英語の記事ですが、解読がしにくいの書かれておられましたが、何とか下記の通り判読できました。お役にたちますでしょうか。

えんぴつ

The Sunrise Kingdom
Entertainment at the First Presbyterian Church for a Worthy Motive
Dr. Adallne Kelsey of Yokohama, with her two Japanese students and assistants, the Misses Kaku Sudo and Hana Abe, will give an entertainment in the lecture-room of the First Presbytrian church tomorrow(Thursday) eveing at 8 o'clock a small admittance fee will be charged, and the funds raised will be for the purpose of aiding the young ladies in procuring a medical education.

The ladies of the First Presbyterian church have many years been interested in the education of Miss Hana Abe, and wish to assure all who may attend that the entertainment will be one of rare interest. The beautiful costume and rare collection of Japanaese cuiros which Dr. Kelsey has brought to this country will be used in portraying scenes in the home life, the religious services and juvenile plays of the people of the Sunrise Kingdom. Many of the articles in the collection were given to Dr. Kelsey by Japanese people, in appreciation of her services as a physician, and will with other araicles donated for the purpose, be offered for sale to inrease the educational fund.

広瀬寿秀 さんのコメント...

えんぴつさん いつもありがとうございます。取りあえず、英語の上達しない私の悪訳で
「日のいずる王国(日本)から来た人たちを支援するための第一長老派教会での歓迎会。アデリン・ケルシー医師は、二人の日本人学生と助手を連れて、横浜から来た。明日(木曜日)の夜8時から第一長老派教会の講義室にて、歓迎会が行われる。少額の入場料はかかるが、集まったお金は、この学生達が医学教育を受けるために基金となる。第一長老派教会の婦人達は長年、安倍ハナの教育に関心を持っており、この歓迎会に参加するすべての人も、是非この事業に関心をもち、すばらしいことだと納得してほしい。美しい衣装と珍しくてすばらしいコレクションは、ケルシー医師がこの国に持ってきたもので、日いずる王国の人々が家庭生活を彩るために使われたり、宗教的なもの、子供達の遊びに使われるものである。コレクションの多くの品は、治療のためのお礼として日本人からケルシー医師がもらったもので、他の寄贈された品物と一緒にそれを売って基金を増やしてほしいと申し出があった。」

えんぴつ さんのコメント...

今晩は、

拙い訳ですが、私も訳してみました。いかがでしょうか。

===================
日の本(ひのもと)の国から

第一長老派教会での支援の会のお知らせ
横浜から渡米して来られたアデリン・ケルシー医師と二人の日本人学生で助手の すどう・かくさんとあべ・はなさん は明日(木曜日)の夜8:00から第一長老派教会の講義室で支援の会を開きます。少額の入場料はかかります、また、そこで集まったお金はこの若い女性たちの医学教育を受けるための基金となります。

第一長老派教会の婦人たちは長期に渡り、あべ・はなさんの教育に関心を寄せており、この会に参加する全ての方々がこの会を特別なものとなることに確信を持っています。ケルシー医師は、日の本の国からすばらしい衣装と非常に珍しい品々も持ってきていますので、この国での家庭生活、祭祀や、子供たちの遊びなどの光景も垣間見ることが出来ます。多くの品は、ケルシー医師がお礼として日本人から受け取ったものですので、他の寄贈の品々と同様に教育基金のために売り出されます。
===================

それから、今朝、送信しました英語にspellingの間違いがありました。ご訂正ください。
araicles-articles, inrease-increase

確か横浜市中央図書館にはYokohama Archivesがあると聞いております。
一部デジタル化されているようです。私自身はまだ利用したことはありません。

えんぴつ

えんぴつ さんのコメント...

今晩は、

拙い訳ですが、私も訳してみました。いかがでしょうか。

===================
日の本(ひのもと)の国から

第一長老派教会での支援の会のお知らせ
横浜から渡米して来られたアデリン・ケルシー医師と二人の日本人学生で助手の すどう・かくさんとあべ・はなさん は明日(木曜日)の夜8:00から第一長老派教会の講義室で支援の会を開きます。少額の入場料はかかります、また、そこで集まったお金はこの若い女性たちの医学教育を受けるための基金となります。

第一長老派教会の婦人たちは長期に渡り、あべ・はなさんの教育に関心を寄せており、この会に参加する全ての方々がこの会を特別なものとなることに確信を持っています。ケルシー医師は、日の本の国からすばらしい衣装と非常に珍しい品々も持ってきていますので、この国での家庭生活、祭祀や、子供たちの遊びなどの光景も垣間見ることが出来ます。多くの品は、ケルシー医師がお礼として日本人から受け取ったものですので、他の寄贈の品々と同様に教育基金のために売り出されます。
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それから、今朝、送信しました英語にspellingの間違いがありました。ご訂正ください。
araicles-articles, inrease-increase

確か横浜市中央図書館にはYokohama Archivesがあると聞いております。
一部デジタル化されているようです。私自身はまだ利用したことはありません。

えんぴつ