2013年10月14日月曜日

弘前、地域ブランド

 地域ブランド調査2013の結果がでた。京都市がトップで弘前市は54位、前年度が67位であったので、これでも良くなり、東北に限れば仙台に次いでの2位となる。上位の都市をみればまあまあの位置であろう。できれば30位以内には入りたいところであるが、別府=温泉、浦安=ディズニーランドと圧倒的な認知度の高い何かを持っていないとだめであろう。お城と言えば、姫路城だが、その姫路でさえ26位であるので、天守閣では比較にならない弘前城では勝負にならない。

 他のブランド調査でも、弘前市は60歳以上の人に割と人気があり、実際の観光客をみても、年配の夫婦連れが多い。二人で美味しい物を食べ、地図を片手に観光して、温泉に入る、こういったイメージだが、100%観光客が訪れる弘前城がつまらない。広い城内ではあるが、キーとなる建物があの小さな天守閣だけではがっかりである。仲町の武家屋敷、弘前ねぷた村もそれなりに楽しめるのだが、ふんふんという程度のものでインパクトに弱い。むしろ禅林街の方、それも山観から禅林街に下るルートの方が楽しめる。あまりあのような景色は京都にもない。

 弘前市では本丸御殿の復元を模索しているが、文化庁の規則が厳しく、江戸時代の御殿に完全な復元でないと認められない。資料が不足しており、今のところ許可されない。近年、資料が残り、熊本城復元工事が盛んな熊本市が57位だが、昨年は75位と、城郭の整備が効果を上げている。古い写真、図面を何とか探して、本丸御殿の復元を達成したい。おそらく弘前城のキーとなろう。

 建物として他には、吉野町にある吉井酒造煉瓦倉庫の活用が挙げられる。今月、松本市の松本市立美術館を訪れたが、ここのウリは草間彌生である。絵自体はそれほどではないが、鏡を使った部屋、それが作品となっているは本当に奇妙な空間であった。こういった大きな作品はここしか見られないもので、昔、吉井煉瓦倉庫で行われた奈良義智の「A to Z」展覧会の巨大なオブジェを思い出した。絵そのものでなく、ここに来ないと味わえない作品がある美術館にしてほしいものである。

 りんごはイメージ戦略としたのは大事だが、今は流通が発達して、それほど珍しいものではない。私としては、青森、弘前でしか食べられないものを開発してほしいものである。ズワイガニ(越前がに、松葉がに)の漁獲量の第一位は鳥取県の境漁港、二位は兵庫の香住漁港、そして三位は何と青森県の岩崎漁港となる。有名な福井県の越前漁港は5位である。ところが地元ではトゲクリガニというマイナーなカニはあるが、まともなズワイガニを食わせるところはない。ほとんどは、東京あるいは越前に持っていくようで、そちらの方が高いからである。これはもったいない。帆立貝も養殖ものと天然ものがあるが、身の厚さ、味とも天然ものは非常においしい。さらに牡蠣の自然物もすごいし、キノコも種類が豊富であるが、自家消費がメインで市場にはあまりでてない。こういった多くの食材がありながら、それをうまく生かしていない。リンゴよりカニの方がうまいだろうに。

 士族町である在府町などには古い屋敷があり、こういった家を宿泊施設とする方法がある。「Airbnb」というシステムは世界中の人に宿(普通の家、人)を提供するもので、すでに弘前市でも二軒の家が参加している。インターネットで評判を知り、安価でそこに泊まるシステムで海外では最近人気が出ている。今風の家よりはどちらかというと古い屋敷なんかの方が外人には喜ばれるので、これに適した屋敷も多い。あるいは禅林街の寺なども、このシステムで解放する手もあろう。

 個人的には、明治二年弘前絵図を観光協会で、200円くらいで販売してもらい、観光客にそれを地図代わりにして、江戸時代の弘前を味わってほしい。I-podIpadなどに地図データーを入れるサービスもあろうが、60歳以上の観光客が多いので、アナログ的な売り込みも大事である。もし採用いただければ、喜んで協力したい。

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