2019年9月12日木曜日

フィルムカメラのブーム

F4 ボディーだけだと7000円くらいで買える


 スマホのカメラ機能が発達し、もはやカメラそのものの存在が危機に瀕している。私もシグマのDP1SDクアトロ、ソニーのRX100、フジのX10の4機種を持っているが、普段はアップルのi-Phone XRを一番多用するし、写りも悪くない。写真をそれほど好きでなければ、スマホで十分であり、あえてカメラを持っていく必要は全くない。それでもシグマのSDクアトロの圧倒的な描写力をスマホに求めることは容積的にも難しい。

 個人的には、非常に特殊なものであるが、シグマのカメラに惹かれる。この会社のカメラは独特な色合いを持ち、その描写はもはや現実の風景、人物を写すというものではなく、自分の目で見えない、違った世界を切り取っているような感覚を思える。通常であれば、実際に見た景色が写真に再現されるが、シグマのカメラは、デジタル現像してみて初めて全く見たこともないような景色が出てくるので驚く。最近では、このカメラの癖を知り、何もない水面や落ち葉、石、枝など現像後の画面を計算して写真を撮ることがある。今度は、シグマfpという小型のカメラが発売されるようで、動画向けのカメラなので期待している。

 もう一つ、驚いたカメラがある。ソニーのRXシリーズで、このうち最もベーシックなのがRX100である。私は確か35000円くらいで購入したが、2012年に販売されたとは思えないほど、性能は良い。最新のもの、RX100M14万円以上するので、それに比べてRX100はかなり安く、お勧めである。大きさも小さいので、旅行などスマホ以上に美しく撮りたいと思う人にはお勧めカメラである。

 前までフィルムカメラとして、ミノルタの名器、CLEを持っていたが、三年ほど前にシグマのSDクアトロを買うときに下取りに出した。確かロッコール40mmレンズ、フラシュ付きで21000円くらいで引き取ってくれた。最初の査定では18000円なので少しは高くしてもらった。そのころは、フィルムカメラはほぼ全滅状態で、店員さんにもミノルタCLEなので下取りしたが、他のものはライカ以外、値段がつかないと言われた。街のカメラ屋さんも次々と廃業し、フイルムカメラを現像してくれるところがなくなった。暇のときに中古カメラ屋さんのウインドーを眺めていたが、ライカも含めて驚くほど値段が安かった。それでも流石にフィルムはもう使いようがないと買うのは躊躇われた。

 病院では、開業以来、25年近く、患者さんの顔面写真と口腔内写真をポジフィルムで撮ってきた。最近では、ポジフィルムの価格も上がり、現像料も高く、さらに弘前から頼むと現像に1週間以上かかる。それでもデジタルカメラと併用して使っていたが、ついにカメラが故障して、デジタルに切り替えた。かなり頑張った方である。ところが36枚のポジフィルムを10本単位で買っていたのが、5本ほど余っている。メルカリで売ろうかと思ったが、やり方がわからず、安いフィルムカメラを買って使ってやろうと考えた。

 となると昔、欲しかった小型のフィルムカメラ、コンタックスのTシリーズ、ミノルタTC-1、ニコン35Tiなどが候補となる。三年前の感覚で言えば、2、3万円くらいで買えそうだと思ったが、これがネットで調べると意外に高い。コンタックスの名機T278万円する。ミノルタCLEも含めて主として小型フィルムカメラがかなり高くなっている。ここ1、2年に若者を中心に自分たちの全く知らないものとしてフィルムカメラが人気を集めているようだ。20歳の若者にすれば、フィルムカメラなど全く触ったこともないものであり、レトロ感満載である。ネットでフィルムを送れば、現像とデジタル画像を作ってくれるようなサービスも増えており、便利になっている。

 ここでフォルムカメラ最高のものと言えば、おそらくNikonFのシングルナンバーであろう。ニコンのフラッグシップとしてF3は有名だが、さらにF4F5と続き、デジタルカメラに移行した。F4からのオートフォーカスになり、F5からはダイヤル式からボタン式になった。ニコンのFシングルは耐久性も高く、今でも十分に撮影できるだろう。このFシングルが重くて、操作しにくいために、若者に人気がなく価格は暴落している。ボディーのみだとF3F41万円以下である。発売当時、20万円以上したカメラが今では数千円になっており、これは完全の暴落で、せっかくフィルムカメラを買うなら、小型フィルムカメラをやめて、憧れのニコンのFシングルにしようと思っている。


5 件のコメント:

シラトアキラ さんのコメント...

いつも蘊蓄と示唆に富んだ内容に呻っています。小生もニコンFとマミヤ645を乾燥器の肥やしにしていますが、ご紹介のシグマsdは始めて知りました。cmosなどと撮像システムが違うようですが、凄い画質のようで先生のブログにその画像を一枚掲載頂ければなと思っています。よろしくお願いいたします。

広瀬寿秀 さんのコメント...

シグマの描写は使ってみないとわかりません。古いDPシリーズは中古でかなり安くなっていますので、一度試されたらどうでしょうか。最新のものとあまり変わりません。本日、ニコンのF4が送られてきました。ボディーだけなら6000円くらいです。あまりのロック機構にうんざりしますが、そのファンダーの広さと重さに感動します。ポジフルフィルムが6本くらいあるので、しばらくぶりにフィルムカメラで撮ってみようと思います。一本、1400円でポジフィルムの現像とデジタル化をしてくれるところもあるようなので、そこを利用しないと思っています。

https://item.rakuten.co.jp/naraphotoclub/10000004/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_103_1_10000645

シラトアキラ さんのコメント...

フィルム現像とCD化はカメラのキタムラでもできます。フィルムをデジタル化することは、レコードをCD化するのと同様ですね。つまり疑色化ですね。F4はFより扱いやすいと思います。フィルムの醍醐味をお久し振りにご堪能下さい。触発されてsd QuattroHを検討中です。フジX-E3とレンズ群を下取りにして懐具合を計算中です(笑)失礼いたしました。

広瀬寿秀 さんのコメント...

シグマの画像は、きっと驚くと思います。かなり癖のあるカメラで、ISOも100から400が基本で、ピントも合いにくく、処理時間も長く、かなりいらいらささせらます。クアトラと標準、ズームを買いましたが、大きく、重いためほとんど使っていません。また画像についてもDP1やDP2とあまり変わりませんので、むしろ中古屋オークションでDP1かDP2の程度の良いものを使った方が良いかもしれません。画素数の増加が画質と繋がっていません。nikonF4、流石にFシングルシリーズで重量感があり、かっこいいです。特にファンダーが大きく、見やすく、最近のデジカメより優れています。
ブログ画面の左上の検索窓に"シグマ”と打てば、これまでの記事が出ますので、ご参考にしてください。

シラトアキラ さんのコメント...

これまでの記事、拝読致しました。シグマカメラの癖がよくわかりました。癖というか長所かも。普段はニコンD810にシグマレンズで楽しんでいます。重いカメラは年寄りにはきついですが、筋トレだと思っています。弘前は白黒写真もよく似合いますね。ナイス!です。sd QuattroH マップカメラと交渉中です、多分購入することになります。レンズはSGになりますので中古物色中です。