2021年11月4日木曜日

古書店を騙った違法中国サイト



 

   須藤かくと阿部はながアメリカのイリノイ州で撮った写真のオリジナルが最近見つかった。「Brown Books」という古書店で1250ドルというとんでもない価格で売られていた。こんなものを買うのは、須藤かくの研究者の私くらいのものだと思い、自分では思い切って800ドルなら買うとこの古書店にメールをした。ところが古書店のオーナーは強気で、20%オフなら売るという。およそ1000ドルで、キャビネ版の小さな写真にしてはこれでもかなり高い。そこでさらに30%オフなら、即刻に買うと返答すると、そうした駆け引きはしないとピシリと断られた。まずこんな馬鹿げた価格で買う人はいないだろうとタカをくくっていたところ、しばらくするとsold となっていた。驚いた、私以外にこのような高い値段で、ほどんど無名の肖像写真を買う人がいたのか。おそらく博物館や大学ではこうした価格で買うわけはなく、個人のコレクターが買った可能性がある。

 

 ただ、この場になっても、売れていないのに売れたように見せかけたとのだと勝手に思っていた。その心の隙間に入り込むように「Fanbety」というサイトが見つかった。1250ドルのこの写真を70ドルで大幅に値引きするという。もともと、この写真の正当な価格は70ドルがいいところだと考えていたので、1250ドルでは全く売れないので、ここで70ドルで売ったのだろうと解釈した。すぐに買うと返事をし、そのままカード決済した。

 

 

 ここまではラッキーと考えていたが、買ったにも関わらず、制限時間の表示を消えない。メール直後にこの会社から登録がなされたとの折り返しメールが来ていたが、どうも怪しい。ここで青森中央学院大学の北原先生のフェイスブックを思い出した。欲しかった本が日本の古書店で安く売っていたので買ったが、この書店は違法サイトで、騙されたとの記事である。まさか古書店でこうした違法サイトがあるとは知らなかったが、インターネットで調べると、違法サイトは、アドレスの最後が、「.top」であることが多いとなっており、このサイトも中国の違法サイトと断定した。

 

 すぐにカード会社に調べてもらったが70ドルは引き出され、回収は難しいという。カード決済を中止し、預けていた通帳からすべての金を引き出した。そして番号を変えて新しいカードを作ることにした。

 

 ダイソンの掃除機が2万円、ロレックの時計が3万円などのメールが時々来るが、こんなの違法サイトに決まっている、買う奴がいるのかと嘲っていた自分がまんまと騙された。おそらく後日、Brown bookedHPに載っている写真をコピーして送ってくると思うが、他の古書店の販売実績を調べて、高い価格で売れた実績のある古書の写真と説明をコピーして自分のHPに載せているのだろう。巧みである。中国人は本当に騙しの天才である。

 


こうして騙されたわけであるが、それでもいまだに誰が買ったのか非常に気になる。私の場合はもし買えれば、横浜共立学園か、横浜の海外移住資料館に寄贈しようと思っていたが、少なくとも死蔵して欲しくない。 

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