2007年3月7日水曜日
ブラケット7(審美ブラケット)
一方、プラスティックのブラケットについては、70年代から出ているものの、壊れやすく、また変形も多くて、使いものになるものは少ない状態でした。80年代になると強化プラスティックやグラスファイバー製のものもでてきて、多少は壊れにくくはなってきましたが、それでも溝の精度がメタルに比べて低く、またワイヤーを溝に入れて結紮線で強く締めると、材質が柔らかいため溝が変形してしまいます。91,2年ころにオームコ社が溝に金属を利用したスピリットブラケットを発表しました。溝の部分はワイヤーが入るため、別に透明でなくてもよいからです。このことにより、溝の精度は飛躍的に高くなり、溝とワイヤーとの滑りが良くなり、ほぼメタルのものと同じように使えるようになりました。発売当初はシングル幅のものだけを出していましたが、かなりシエアーがあったように思えます。ただやはりツイン幅のブラケットが人気が高く、その後日本のサンキン社から同様なツインブラケット(クリアブラケット 写真 下)が発売されるようになると大分シェアーが奪われましたが(日本では)。現在ではスピリットブラケットはウィングのあるルイスタイプのものになっていますし、ツイン幅のものもでています(写真 上)。一方、サンキン社もこのブラケットに合わせたキャップのようなクリアスナップというものを2年ほど前に発表しました。すべりが格段によくなるため、私も多用していますが、前歯に付けると毎回の調整の度に替えなくてはいけないので、主として糸切り歯を後ろに動かす時に用います。
他のメーカーのものも出ていますが、日本では溝がメタルになったこの2つのブラケットがプラスティックブラケットの主流と思われます。今月号のアメリカ矯正歯科学会誌で今後のブラケットの予測が載っていましたが、プラスティックブラケットはセラミックとのハイブリットになるのではとなっていました。2年間の治療ではやはりプラスティックでは摩耗が起こるため、より硬い材質が求められます。
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