2019年8月11日日曜日

弘前ねぷた 場所取り



 ようやく弘前の夏の風物詩である弘前ねぷたが終わった。駅前コースの集合地は家からすぐ近くなので、毎年、楽しみにしている。青森ねぶたと違い、まだ観光化しておらず、基本的には町内の人々が直接参加している。そのため、運行には町内の老若男女が参加しているため、あまり統一感はないものの、地元の祭りという感じがして好きである。

 ただ一つ残念なのが、場所取りである。ねぷた当日の昼ごろから、歩道に名入りのシートをガムテープで貼ったり、チョーク、テープで枠取りをしたり、あるいは椅子を並べたりしする。祭りが始まると、ここに陣取って食事や酒を飲みながらねぷたを見る。毎年、観光客から見るとみっともないため、市の職員がテープを剥がしたりして、禁止しているが、後がたたず、そのままになっている。もともと歩道は、道路を管理する市、県、国のものであり、それを使う場合は許可が必要である。もちろん許可を取って、ねぷたの場所取りをしている訳ではない。ある意味、違法といえよう。

 昔はどうだっかと、家内に聞くと、一部のお店は常連客のために店に前に椅子を並べるケースはあったが、一般の方がテープを貼って場所取りをすることはなかったという。確かに昔のねぷたの写真を見ると、今ほど歩道が広くなく、皆立って見物していた。狭い歩道にシートを貼れば、邪魔だと怒られたであろう。昼間に場所取りするのは、歩道も広くなった、ここ2030年のことであろう。弘前市の方も有料の観覧席を設け、年配の方には座って観れるようにしているが、今回でも有料席は空いていた(2000円)。

 この2000円という価格はりんごジュース代なども入っている料金ではあるが、一人当たりの歩道占有料金と考えて良い。つまりシートを貼って、場所取りをしているのは、その人数分、無断でタダで使用していることになる。市町村としては、場所取りを禁止するのも一つの手ではあるが、場所を取って使用している場合は、有料観覧席に準じて一人1000円くらいの使用料をとる手もある。椅子一脚分を1000円として4脚分の面積なら4000円とるようにすると前もって告知しておけば良い。当日は、市の職員が使用料金を回収に行く。

 うちの近所に青森銀行があり、その駐車場は夜になると不法駐車でいっぱいになっていた。ところが銀行がゲートを設けて有料駐車場にし、銀行にくるお客さん以外は有料にした。すると夜間に駐車する車はほとんどなくなった。弘前では駐車場はたくさんあり、一ヶ月の駐車料金も5000円くらいである。駐車場がないから銀行に止むを得ず駐車しているのでない。5000円が高いから銀行の駐車場にかってにとめていて、料金がかかるとなるととめない。現金なものである。

 おそらくねぷたの場所取りも同じ心理なのだろう。年配者が座って観たいというなら有料観覧席で見れば良いし、そんなうるさいことをいうなら祭りの雰囲気が台無しになるというのもおかしな話で、昔は場所取りはなかったし、京都の祇園祭、博多どんたくなどの他の夏祭りなどもそんなことはしていない。

 ねぷたの歴史は規制の歴史であり、あまり喧嘩がひどいので、喧嘩ねぷたが徹底的に禁止され、さらに門付けも強要がひどくなると、合同運行にして禁止してきた。また運行中の酒も死亡事故があったため、禁止することになった。今後、市の条例で、弘前ねぷた期間の歩道の場所取りを条例で禁止し、有料観覧席程度の罰金規定を設ければ、なくなるであろう。同時に遊覧観覧席の2000円は観光客向けの価格であり、せめて1000円くらいに値下げすべきであろう。

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