2007年5月18日金曜日

Q&A 矯正治療費はいくらぐらいですか1



講演をすると一番多い質問は料金のことです。ご存知と思いますが、矯正治療は健康保険が適用できず、自費になります。昔はピアノ一台分と言われていましたが、私は成人式の着物代と説明しています。うちの娘も来年成人式で、業者から着物のDMもきたりします。今年夏にイギリスに短期留学したいと言い出したため、成人式の着物はなしだぞと言うと納得していました。矯正治療も費用がかかるため、高校生以上の患者さんでは親からのこういった説明もきくかもしれません。
矯正治療費のシステムは、大きくわけて3つのタイプに分かれます。ひとつはTotal Feeと呼ばれるもので、治療全体を例えば60万で請け負うものです。アメリカで多く採用されている方法です。装置の費用、調整料など治療に関わるすべての費用はこれに含まれます。治療開始時に1/3、途中に1/3、治療終了後に1/3という支払い方法が多いようです。治療の難度により費用は変わります。最初契約時の料金以外に追加の費用がかからないのがいい点です。2番目は大学病院や一般開業医で取られている装置別の料金システムです。例えばメタルブラケット40万円(上下)、20万円(上、下のみ)、ヘッドギアー(7万円)など装置ごとに料金が決まっていて、治療に必要な装置だけ費用が発生します。また来院ごとの調整料や観察料も必要になります。この場合の問題点は治療費の総額がいくらになるかわからない点です。また前に述べて転医の場合の料金の清算も難しくなります。3つ目は、基本治療費と調整料を組み合わせた方法です。治療に必要な装置については基本治療費に含み、別途に調整料や観察料をとるやり方です。通院回数による費用が上下しますが、基本治療費が40万円とし、通院が月1回で20回と30回では調整料を3000円とすると、総額で3万違います。装置別の方法に比べるとそれほど最終費用に差はないと思います。日本の矯正専門医で多く取られている方法です。
矯正治療が保険で行われるのは、イギリス、ドイツ、北欧などですが、全額保険でカバーできるわけではありません。大体治療費に半分くらいをカバーするようです。ただイギリスなどでは治療までに相当待たされようですし、審美性ブラケットなどもダメで、また通院も予約時間が決められるようです(自費の患者は学校終わってからの予約など優遇されるようです)。
写真はフェークの矯正装置でこんなものを作っている会社がアメリカにあるようです。3万円くらいするようですが、誰が買うのでしょうか。

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