2010年1月2日土曜日

正月早々いいことが


 年末に愛用の時計の本体とバンドのつなぎ目ところが壊れました。この時計は大学の入学祝いにうちの母の友人からもらったロレックスのオイスターパーペチュアルというもので、かれこれ35年近く、いつも着けています。もらった当時は学生でこんな高級時計を持っていて、目立つなあと思っていましたが、今はかなりくたびれいい感じになっています。これだけ長い間、毎日つけているため、奇妙な愛着があり、つけていないと何か落ち着かない気分になります。

 早速、インターネットで大体いくらくらいかかるか調べると、さすがに高級品で、修理も結構高いことがわかりました。ある程度覚悟して、近所の時計屋に行ってきました。ここは以前違う箇所の修理とオーバホールをしてもらったところで、かなり安かった記憶と、職人気質のおじさんで何とか修理できるだろうとふんでいました。

「すいません。ここのバンドの部分が壊れたんですが、修理できるでしょうか」と言うと、無言でルーペでチェックしはじめます。修理を始めたようなので、そのままにしておいて、店内の商品を物色します。「新しいのをそろそろ買わないといけないなあ」、「今度はセイコーのにしようかなあ」とか家内に小言でいいながら、買うような素振りを見せます。店内にはロレックスのサブマリーナーとエクスプローラ、それとグランドセイコーが鎮座していますが、値段をみると高い。買うのには相当覚悟がいります。そうこうしているうちに、おじさんが「できた」といって時計を手渡してくれたので、「いくらですか」と言うと、「300円」。おもわず頬に笑みがこぼれます。にんまりするのを押さえながら、300円のレシートをもって店外にでると、家内に「いまどき何か修理してもらって300円はないだろう。子供の手間賃ではあるまいし、なんぼなんでも安すぎる」、「ネットで調べても最低3000円、高いところでは10000円くらいなんだから、1000円はとってもばちは当たらんだろう」とか、はては「職人は安売りしたらいかん」とか言いながら、しばらくはテンションがあがっていました。ついでに高校生の娘が3か月ごとに行くストレートパーマはいくらくらいかかるか聞くと、「一万円くらい」、「どれくらいかかるんだ」と言うと、「2、3時間くらい」、「東京ではいくらかかるんだ」、「安いところでも2万くらいはかかるわ。大学に行ってもこっちの方が安いんで、これからもこちらでかける」と言います。最後に「やっぱり弘前は物価が安くていいところだ」ということになりました。

おそらくこの時計屋さんからすれば、どんな時計であろうと修理費は決まっており、1000円の時計でも30万円の時計でも300円ということなのでしょう。私のような大阪人や商売上手な中国人であれば、相手をみて値段を決めるという小賢しいこともするのでしょうが、ここ弘前では数十年も同じ仕事を丁寧にし、時代の価値観に迎合しないという頑固な職人が存在します。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

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