2017年11月6日月曜日

雑食、日本人

アメリカの弁当

台湾の駅弁

 先日のニュースで、ドイツに暮らす日本人がドイツ料理はジャガイモ、キャベツと豚肉、味付けは塩味だけなので飽きてしまうといい、逆に日本に住むドイツ人は日本の料理が多様すぎて混乱するという。以前、スイスの山岳地域に住む遊牧の人々の生活を追った番組があった。月曜日にチーズとパンを作り、同じ食事を朝昼晩、一週間続けるというものだった。私だったら我慢でいない。飽きるというより、こんな食事では全く興味をもてない。

 日本人の一般的な食事を考えよう。朝はパン食という方も多く、その場合は、コーヒー、パン、ジャム、卵焼き、場合によってはスープがつく場合もあろう。完全にコンチネンタルな朝食である。昼は、うどんやラーメンなどを食べる場合もあるし、パスタやピザという手もある。イタリア料理である。さらに夜になるとカレーやステーキあるいはトンカツというインド料理、西洋料理ということも多い。つまり朝から晩まで世界各国の料理を食べており、日本料理ばかり食べているわけではない。

 隣国の中国ではどうかというと、外食で、たまには西洋料理や日本料理を食べることはあっても朝昼晩は基本的には中華料理である。台湾の朝食風景をみても、マックのようなハンバーガーショップよりは中華風、台湾風の朝食である。さらに韓国は行ったことはないが、家内の好きな韓ドラマを見る限りは、韓国料理への愛着は強く、ほとんどの食事シーンは韓国料理である。夕食に家族でカレーを食べるシーンはない。

 このように世界各国をみても、意外に食事については保守的で、日本人ほど食事に節操のないところは少ない。日本ではインドのカレーを改良して日本風にしたり、各国の料理を独自に改良し、日本風にしている。ハンバーグ、シチューなどはすでに家庭食として定着しているし、最初に述べたように年配の方にも朝食は洋食という方は多い。どの国でも年配になればなるほど保守的であるが、こと食事に関しては現在の日本の老人は進歩的である。

 以前、アメリカ人に同じ食事で飽きないかと聞いたことがある。その答えは“食事は体のガソリンである”という。そうかガソリンに味を求める必要はない。必要なカロリがとれればよいことになる。お腹が一杯になれば、何でもよいし、むしろ色々悩むくらいなら、好きなものを毎日食べた方がよいことになる。そこで冷凍のドリア、チキン、パスタ、ピザをスーパマーケットで大量に購入し、各自が冷蔵庫から出して、電子レンジでチンというのが基本スタイルとなる。

 面白いのは、日本の弁当の多様性であり、アメリカの一般的なランチボックスはパンにピーナツバターを塗ったものに、リンゴとコーヒーといったものだし、これも変化はない。5分もあれば食べ終わるので、日本の会社ほど長い昼食時間はいらない。昔、台湾からの留学生の弁当をのぞいたことがあるが、やはり弁当の中華料理(台湾料理)で、弁当に敷居もないため、汁がもれだし、ごはんがべちょべちょになり、色の茶色や緑の染まり、それは食欲をなくすものだった。小学校に通う子供のために、日本式弁当をうちの家内に習いにきていたが、ついに見栄えという点が理解できなようだった。アメリカ人は食事はガソリン、台湾人は味ということか。国により食事に対する考えも違う。

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