2019年1月4日金曜日

韓国海軍のレーダー照射


先日、韓国海軍の駆逐艦が海上自衛隊のP1哨戒機に火器管制レーダーを照射し、これが日韓で大きな問題となっている。日韓は朝鮮戦争以降、一応はアメリカと共に軍事同盟国であり、何らかの手違いでこうした事故があったとしても、謝ればお互い冗談で済んだ。ところが韓国政府が共同敵である北朝鮮との融和政策を進めているため、どうしたことか同盟国との長年にわたる関係を忘れた。明らかな嘘とばれる釈明をして、ますます事態を複雑なものし、今後は軍事同盟の見直しすら考えさせる。当然、アメリカとしては、日米韓の軍事同盟は北朝鮮だけでなく、対中国との関係で非常に重要であるため、日韓の離間は避けたいが、もはや東アジアの防衛線を韓国から沖縄、グアムまで下げることを検討している。その場合、北朝鮮と韓国の統一が北朝鮮主導となり、核兵器を持った国が中国だけでなく、統一朝鮮にもできることになり、対抗上、日本も核兵器の保有を検討することになろう。中国以上に理屈が通らない、日和見な厄介な国となる。

軍隊というのは、非常な古い存在であり、各国の軍隊、特に欧米の軍隊は非常に長い歴史を持つ。もちろん陸海軍の中では陸軍が最も古い歴史を持ち、次が海軍、そして最も新しい軍隊が空軍である。今回、問題になっているのは海軍で、日本の海上自衛隊はもちろん、旧軍の日本海軍とは違った組織であるが、歴史としては明治5年の帝国海軍創立まで遡る。イギリス海軍は1700年頃、アメリカ海軍は1790年頃であり、これらの国からすれば海上自衛隊の歴史は浅い。それでも第二次世界大戦では、イギリス、アメリカと肩を並べる海軍大国であり、戦争に負けたとしても、その海軍精神は現在の海上自衛隊にも受け継がれており、世界でも海軍伝統国として認められている。アジアでは、中国海軍ができたのが、1949年であるが、もともと陸軍国であり、ある程度の海軍組織となったのは、1980年以降である。さらに大韓民国海軍は一応、1945年が創立となっているが、対北朝鮮戦略のみの海軍であれば、大型な艦船を持つ必要がなく、まともな艦船を建造したのは1980年以降である。つまり日本はすでに140年以上の歴史があるのに対して、中国、韓国とも海軍の歴史はたかだか3040年しかない。むしろ中華民国海軍は1913年、タイ王国海軍は1910年とともにアジアでも古い歴史を持つ。2012年には台湾海軍の艦船が間違って練習中に日本海域の与那国島付近に入った事件があったが、この時も艦隊長を処分し、スマートな対応をした。ただ中華民国、タイにしてもまともな海軍とは言いがたく、日本以外で世界に認められているアジアの海軍はオーストラリア海軍(1911年創設)で、海上自衛隊とも古くから最も親密で交流も多い。

海軍は広い大海を活動拠点としているだけに、ただ一艦の艦長の判断で、国際的な大きな問題に発展する可能性を持つ。それだけに伝統的な歴史のある海軍ではそうしたことが士官教育で厳しく教育される。国際法、国際的なルールが重要視され、その遵守が世界の海軍のエチケットとなっている。それを守らない海軍は、各国との合同訓練でも仲間はずれにされる。残念ながら、今年の大韓民国国際観艦式での旭日旗の掲揚禁止もそうだが、今回の事件でも大韓民国海軍の醜態が世界の海軍に知れたことになる。第二次朝鮮戦争が起これば、日本は最前線の補給基地としてなくてはならない存在であり、この関係を否定する韓国政府の対応は、もはや日米の軍事同盟あるいは助けを拒否しているとしか見えない。駐韓アメリカ大使は日系アメリカ人のハリー・ハリス、元海軍大将であり、若い時は哨戒機P-3Cのパイロットであった。彼ほど韓国の嘘を知る人物はおらず、正確にアメリカにレーダー照射事件の詳細は報告されているだろう。日米の韓国からの離間、ことに軍事面の離間は刻々と進んでいるが、本当に多くの韓国民はこれを歓迎しているのだろうか。朝鮮戦争前夜、韓国軍は北朝鮮は同胞として、攻撃しないと南に軍を移動した。さらに米軍も朝鮮半島はアメリカの守備範囲でないとの声明があったので、北朝鮮軍は攻撃した。現状では、仮に今、第二次朝鮮戦争が起こっても、日本政府は在日米軍基地の使用は了解しない。その場合、米軍はハワイ、グアムからの出撃となり、初動はかなり制限される。こうした過去の歴史を全くわかっていない。2014年に安倍首相は「朝鮮半島有事の際に在日米軍基地からの米海兵隊が出動するのは、日本政府の了解を得なければならない」との発言はそのまま生きている。

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