2019年7月5日金曜日

変化した性に対する考え



 ここ2030年の変化として、一番強く感じるのは、男女の性差がかなり少なくなったことであろう。まず雇用均等法により、会社でも男女が均等に働けるようになった。法律ができた当初は、まだまだ男性優位のものであったが、最近では上司に女性がいるという会社はごく当たり前になったし、夫婦でも女性の方が、サラリーが高いケースも珍しくなくなった。寿退社という言葉の死語となり、結婚後も女の人が働くというのも普通となった。さらに家事や育児を手伝う男性も多くなり、女性より男性の方が、家事がかえってうまいという現象も起こっている。

 親父の時代、戦前から昭和40年頃まで、男性で料理や洗濯、掃除をする人はほとんどいなかった。男性は仕事をする人、女性は家で家事をする人と役割分担ができていた。これは共稼ぎ世帯でも、同様で、女性は外で仕事をし、家に帰るなり大急ぎで子供の世話や食事を作った。大変だったと思う。その後、家事と仕事の両立があまり大変なので、家事の一部、洗濯、風呂掃除、食事の片付けを旦那に頼むようなケースが出来てきたが、それでも旦那が料理を毎日作るようなケースはあまり知らない。私の場合も、独身時代は掃除や洗濯は自分でしていったが、結婚してからはそうしたことはほとんどない。同世代の男性の多くは同じようなものであろう。ところは私の子供の世代になると、旦那が掃除、料理をするのが、それほど珍しくなく、私の娘のところもそうだし、従業員のところの娘さん二人もそうである。共稼ぎで、早く帰った方が料理を作るようで、洗濯や掃除も分担して行なっている。

 こうした男女の違いが少なくなったことは、服装にもあらわれ、若い世代は別にしても、30歳以降になると女性のスカート着用率がかなり減る。ジーンズなどのパンツファッションが主体であり、今や病院での看護師さんの一般的なユニフォームはワンピースではなく、パンタロンとなっている。同様に女性下着もレースなどの華やかでセクシーなものよりはスポーティーなものが好まれてきている。またストキングも売り上げも年々減少し、生足の女性が多くなった。女性にすればストッキングを履くメリットがもはや見出せないのであろう。ハイヒール離れも進んでいるし、日本ではそうでないが、ヨーロッパでは化粧しない女性も多くなっている。また趣味の分野でも、かって男の趣味というのが存在したが、今では釣り、登山やカメラ、さらにはプラモデルや鉄道趣味などにも女性の進出が激しい。

 一方、女性らしいという言葉もなくなりつつあり、いい意味で女性は嘘をつかない、丁寧、優しい、きれいずきといった漠然としたイメージがあり、女性政治家などではそうした誠実なイメージを持っていたが、衆議院の豊田真由子さんの秘書への罵詈雑言でこうしたイメージは完全に消えた。近くの横断歩道を右折で突っ込むドライバーの多くは女性だし、郵便局の障害者用の駐車場に平気で車を止めるのも女性が多い。もちろん実態は男女、比率は同じなのだろうが、私のイメージとしては、女性はそうしたことがないと思っているだけなのだろう。

 もちろん男女の肉体的な性差はあるが、精神的な性差は急激に少なくなり、そうした中間型のゲイの方々の違和感も同時になくなってきた。ただ個人的に、最も恐れているのは、日本人男子の中性化、草食化である。欧米あるいはアジアでは、いまだに多くの男性は美容院ではなく、理髪店に行く。ところが若い日本人男子はほとんど美容院に行っているようで、簡単な化粧をしている人の多い。ありがたいことだが、街には暴走族もいないし、中学生同士の抗争というのもなくなった。清潔で、大人しくて若い男性が目立つが、どうであろうか。

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