2008年4月11日金曜日
日本最高のゴールキーパ
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前回、史上最高のGKとしてヤシンとバンクスを挙げたが、それでは日本最高のGKというと誰だろうか。
僕たちの世代にとっての、最高のGKはメキシコオリンピックで活躍した横山謙三であろう。安定したプレーで長年に渡り日本サッカー界の守護神としてリードした。1970年代のころ、サッカーの競技解説書のGKの部分の模範プレーの写真はほとんど横山選手だったので、なつかしい。サッカー部の監督といえども、GKの練習法については全く見当がつかなかったのであろう。先輩、後輩とこんな本を読みながら練習した。ただ今から見ると、横山選手といえどもアマチュアのわくの中という評価では最高というべきか。
その後、日本もワールドカップ出るようになると、川口能活と楢崎正剛の二人のGKの時代がきた。動の川口と静の楢崎として、川口はフランス、ドイツの大会に、楢崎は日韓の大会に出場した。
川口選手の公称身長は180cm、楢崎選手は187cmだが、一般的に2,3cmはさばを読むため、(私も選手登録では、実際は174cmなのに
176cmとしていた)、それぞれ177cm、184cmくらいであろう。ヤシンとバンクスの身長は184cmであることから、身長的には楢崎選手がGKに向いている。そのためハイボールの処理には川口選手が不利であり、ドイツワールドカップの対オーストラリア戦ではその欠点が露呈した。また先のワールドカップの対バーレン戦でも決定的な失敗を犯した。このあたりが監督として一番不安な点である。最近のFWには身長190cmを超える選手もいて、身長差が15cmあると、いくら手が使えるからといって、ゴール前の競り合いはきびしい。つい手先だけの弱いパンチングになってしまう。ハイボールへの弱点は相手側からすれば攻めやすく、チームも心理的に引いてしまう。高いボールに強いというほど、チームに安心感を与えるものはない。
楢崎選手はどちらかというと古典的なGKでゴールエリアから積極的にでるタイプではないし、超人的なセービングをすることは少ない。あれはどうしょうもないといった失点である。一方、川口選手は当たるときは超人的なプレーをするし、ゴールエリアの外への自由にでていく(これがたまに不安にもさせるが)。現代サッカーではGKも11番目のフィールドプレーヤーと扱われ、足技も必要である。
アジアでは韓国、中国ともGKにはめぐまれず、サウジなど中東にいいGKがいる。日本においても、川口、楢崎というGKもいるが、いまだ世界的に評価される基準ではない。それ故、結論としてはいまだ日本最高のGKは残念だがいない。
この一番の問題点は、日本のグランドコンディションで小学校から高校まで土のグランドで練習することがほとんどだ。GKの練習は絶対に芝生で行われなくてはいけない。固いグランドでセービングするほど怖いことはない。砂場などで練習するのだが、よほどうまくセービングしないと固いグランドではけがをする。私もしょっちゅう肘を強くうち、水がたまった。今はしらないが、昔は肘にパットなどを入れて練習した。こんなことは芝生で練習すれば必要ない。またGKというのは特殊なポジションで、その指導はGKをしたひとでなければできない。代表クラスではGKコーチもいるが、小中学校高校などでは教えるひとがいない。少なくとも日本サッカー協会などが巡回指導などをするべきで、まちがった指導で、なおかつ固いグランドではけがが多発する恐れがある。中高生のGKは少なくとも、一度は4,5日でもいいから、芝生のグランドで専門のコーチから基本を学ぶ必要があろう。
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