2008年4月22日火曜日
IKEA
講習会2日目は午前中でしたので、午後から神戸にできたIKEAに行ってきました。初日は3万人が押し寄せたようですが、この日は平日のためかそれほどは多くありませんでした。それでも入場制限があり、15分ほどは待たされました。
噂では聞いていましたが、本当に安くて、デザインのいいものばかりで、人気があるのもうなづけます。著名なデザイナーがデザインし、中国やベトナムで大量生産して、世界各国のIKEAで売る、これをやられたのでは、既存のインテリアショップはきびいしと思いました。広い会場で、すごい種類の商品がディスプレーされており、同等の商品の数分の一の値段で売られています。実家にナイフ、フォーク、スプーン(大)、スプーン(大)の6人用セットを買いましたが、1900円くらいで一本約80円くらいになります。デンマークのカイボイソンのものと品質、デザインは遜色なく、価格はほぼ1/10になります。百円ショップなどのものとは全く次元が異なります。
こういう店をみると複雑な想いになります。近所の古くからの家具屋も大型のディスカウント店の出現や婚礼家具の低迷により、ほとんどがつぶれました。また曲げ木家具で有名な秋田木工も倒産し、日本の誇る天童木工も経営はきびしいようです。地元に根付く家具屋が中央資本の大型店の登場によりつぶれ、またIKEAのような世界規模のさらなる大型店の出現によりこれらの店もだめになるでしょう。現に先に進出した東京の船橋界隈では多くの小さなインテリアショップがつぶれたと懇意の家具屋さんが言っていました。デザイン、品質、値段でとても太刀打ちできないようです。
盛者必衰のことば通り、いくら勢いのある商売でも次第に衰えるのはわかりますが、そのスパンが極端に短くなり、突然やってきます。カメラ屋もデジタルカメラの普及により急速に駆逐されてきていますし、理髪店も男子がパーマ屋にいくようになり、利用者は減ってきているようです。またあれだけ繁盛したパチンコ屋やマージェン屋も若者がこれらのギャンブルをしなくなり、減ってきているようですし、インターネットからのダウンロードの普及によりレコード屋もきびしいようです。
かっては家の近くに多くのお店がありました。牛乳屋、お菓子屋、肉屋、魚屋、タバコ屋、八百屋、豆腐屋、酒屋、味噌屋、本屋など、いろいろな店屋があり、その商売で何とか一家を養うことができました。インドなどではもっと多くの商売があり、体重計り、両替など、よくこれで商売できるなあと思われるものまでありました。
こういった大型店の進出は、ブルドーザーで地面をなぎ倒すように既存の小さな商売を刈り取っていきます。この傾向は地方の方が徹底しているように思われます。そしてこの大型店も、さらに規模の大きな大規模店により消滅します。最終的にはインターネットによる世界的な規模のものに押しつぶされるかもしれません。いずれにしても商売の収束化は急速に進んでいるようで、これにより多くの職は失われていることは事実で、さらに市内の中心地の空洞化が進みます。
近所に店が無くなったから、近郊の大型店に行く、これは致し方ないのですが、そのためには車がいり、家族一人に一台ずつの世界に突入しているようです。ガソリンも高騰し、一家4人の収入のうち一人分は車の費用に消えるようでは何のために働いているかわかりません。逆に東京や大阪の都市部では車の保有率が低く、日常の商品を購入する近場の商店街も残っていますが、弘前のような地方では車がなければ日常生活に困るような構造になっていて、収入の多い都市部が、交通費が少なく、逆に収入が少ない地方で車の購入、保険、ガソリン代などの出費が増える構造になっています。今回のガソリン代の高騰は地方の方がもろに影響がでる始末です。
解決は難しいとは思いますが、何らかの対策がなければ、大正期に急速に進んだ自作農から小作農への転落、大地主の出現と同じような状況が地方を中心にして進むような気がします。
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