2009年8月16日日曜日

高齢者が使うには難しすぎる




 大阪にいる母親は、韓国ドラマのファンで、毎日テレビで見るのを楽しみにしている。BS放送では最新の韓国ドラマを多く放送していることもあり、朝から晩まで新聞の番組表に印をつけて視聴している。

 たまの外出時には見れないこともあり、今年大阪に帰った時にハードディスク付きのレコーダーを買った。番組表をそのまま録画できて便利と思ったからだ。うちの家内も一週間分の韓国ドラマを予約して時間の空いている時に見ている。非常に簡単な操作で録画予約ができ、重宝している。

 ところが大阪の実家では電波障害もあり、ケーブルテレビで視聴している。この場合、レコーダーで録画予約する場合、まずケーブルテレビの番組表で録画したい番組を予約し、その後、レコーダーで日時、時間を設定して始めて録画できる。さらにその際には入力切り替えをしてコンポーネント1からビデオ1へと切り替えをしないといけないため、テレビ、レコーダー、ケーブルテレビの3つのリモコンを駆使しなくてはいけない。実に煩雑な操作を必要とする。

 ケーブルテレビの情報のひとつをまず選択して、その情報がラインを通じてレコーダーに送られる訳だが、その際にレコーダー側に、その時間にデーターが送られてくることを教えておかないといけないことになる。

 とてもじゃないが高齢な母親にこんな複雑な操作をできるわけはなく、月刊テレビガイドで録画したい番組をチェックしてもらい、兄に後で入れておいてもらうことにした。

 家電メーカーも随分昔から誰でも簡単に操作できるように工夫を重ねているようだが、なかなか解決しないようである。コンピューター技術というのは「属性」を選択していかないといけないため、来週のこの番組を録画したいと思っても、年月日や時間、放送局を指定しないとどうしようもない。簡便化しているとはいえ、一番組を録画するには、何種類かの属性を打ち込まないといけない。むしろ属性を打ち込むという点ではGコードという古いやり方の方が属性を数字で打ち込むだけなので簡単かもしれない。「新しい資本主義 希望の大国・日本の可能性」(原丈人 PHP新書  この人も含めて1950年代生まれの慶応大卒の人には優秀なひとが多い)でも、前期デジタル時代、後期デジタル時代(ポストコンピューター)の次の時代としてネオアナログ革命がやってくると予想しているが、年配のひとも含めてあらゆるひとが簡単に機械を操作できるようになるためにはネオアナログ革命の到来が必要なのかもしれない。

 本来、コンピューター、家電分野で最も開発が待たれる自動翻訳機でも、googleの自動翻訳や色々な翻訳ソフトをみてもそれほど進歩はない。もし発音、聞き取りを備えた完全な翻訳機が完成できれば、世界中の多くのひとが機械を通じて話すことができ、語学学習の必要性もほとんどなくなるはずだ。立体テレビといった過去には夢のような機械も実現が可能になり、製品開発の決め手がどんな夢をもつかになっているが、未だに実現できないのがこの翻訳機である。

 おそらくは計算を主体とした2進法を原理としたコンピューターでは限界があり、それを超える新たな基礎的な発明が必要かもしれない。そういった点では医学の世界においても診断機器の発展はあっても診断そのものはまだ人間が必要だし、そのためには経験も必要であろう。

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