2009年12月17日木曜日

冬の防寒着




 私が大学生の頃に、ちょうど「ポパイ」という雑誌が創刊されました。創刊号から夢中になり、この雑誌のポリシーにずいぶん感化されました。当初は、ロス、サーフィンといったアメリカ西海岸のファッション、文化の紹介が多かったのですが、次第にヨセミテ、ショイナード(パタゴニア)といったアウトドアの内容(当時はヘビーデューティーと言っていました)が多くなってきました。

 当時の冬のファッションというと、シャツはカンタベリーのラガーシャツ、ズボンはリーバイスの501、シェラデザインのダウンベストとマウンテンパーカ、靴はレッドウィングのワークシューズ、あるいはトニーラマのウェスタンシューズというのが理想的なファッションアイテムでした。ただ学生には高くて、とても手が出ませんでした。

 私の学生当時の冬の格好というと、カンタベリーのラグビーシャツと501は何とか買えましたが、ダウンベストはフェニックのナイロンシェルのもの、ワークシューズは無名のものと、貯金をはたいて買ったノースフェースのマウンテンパーカという格好です。ノースフェースのマウテンパーカ(写真上)は確か1978年ころ仙台のサイカワというスポーツ店で買った記憶があります。すでに30年以上たちボロボロです。綿、ナイロンの60/40という素材で作られ、緑、青、オレンジの3色があったと思います。その後、青森にくるまでは何とかこれでいけたのですが、さすがに青森の冬にはちょっときつく次に買ったのが、LLビーンのメインワーデンダウンジャケットです。素材はゴアテックスという空気は通すが、水は通さないという新素材になっています。確か、買ったのは1994年で、これもすでに15年以上たちますが、まだまだ現役で使っています。12月からの3ヶ月ほとんど毎日使用しており、冬の防寒着としてはなくてはならない存在です。多少、ダウンが抜け、またベンクロの部分もへたってきていますが、さすがにアウトドア製品のいいところで、頑丈にできています。

 そして最近買ったのが、エディバウアーのカラコラマパーカの復刻ものです。1970年代のものの復刻で、60/40素材を使っており、全体的なシルエットは昔のままです。もっこりとしたダウンパーカで丈の長いものです。タグまで昔のもので、凝った作りになっていますが、残念なことはジッパーまでTALON社製のダブルジッパを使用している点です。やはり耐久性の点からは日本の誇るYKKものを使用してほしかった。あと20シーズン何とか使っていきたいと思います。家内からはちょっとは違った色にすればと言われるのですが、どうもダウンパーカというと緑のイメージがあり、変化がありません。エディバウアーというとスカイライナーが有名ですが、私には丈が短く、復刻ものを見ても、昔に比べて薄くなった気がします。昔のはダウンをぎゅうぎゅうにつめ、パンパンになっていました。

 冬の防寒着としては、クールネックのシャツにフリースのジャケット、その上に上記のダウンパーカを着込みます。当然、下着は防寒用の長いやつ、さらにチノのズボンもフランネルの裏地付きのもの、靴はビーンブーツ、場合によってはソレルのカリブと、ほとんどエヴェレストか南極に行くような格好です。南極観測隊、エベレスト登山隊御用達といった文句にすぐに反応します。手袋も南極探検隊が使ったノルウェーのウールのものを使っています。体が寒さに慣れるどころか、鹿児島にいる時より弱くなりました。

 最近では、ナイロンシェルの軽いタイプのダウンが若者には、はやっているようですが、ナイロンシェルは破れやすく、水に弱いのが欠点です。ただ軽さと小さくできる点は非常にすぐれており、一昨年は母親にモンペルのダウンベストを買ったところ冬の室内着としてはセーターなどよりよほど軽く、暖かいと喜ばれました。昨年はダウンパーカを買ったところ、旅行に行くのに暖かいし、小さくできるのが重宝がられました。年寄りへのプレゼントとしてモンペルの軽量ダウンはとても勧められます。そういえば、昔作家の開高健さんも室内着としてこういった軽量ダウンを愛用していました。

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