2013年3月3日日曜日

シェルブールの雨傘




「シェルブールの雨傘」、久しぶりに見ました。前に見たのはいつだたったでしょうか。30年以上前は確実で、内容の99%は忘れていました。カトリーヌ・ドヌーブ、今でも現役女優でがんばっていますが、この映画の中のドヌーブは本当に美しいし、服装も60年代のおしゃれなもので、今でも十分に通用します。

内容については、ここまで有名な映画ですので、少しばらします。ただの恋愛映画と思っていたのですが、ちょっと違うようです。彼氏が2年間、兵役のためアルジェリアに行くことになります。その前に関係ができ、何と妊娠してしまいます。ここらは全く記憶にありません。さらに妊娠中に宝石商の金持ちの男にプロポーズされ、彼氏の帰還を待たずにこの男と結婚してしまします。何と軽い女か、2年間も待てないのかと思ってしまいます。戦闘から生き残った彼氏は、帰国後、この事実を知り自堕落な生活を送ります。当たり前でしょう。2年間待って帰国すると、彼女は自分の、まだ見たこともない子供と一緒に金持ち男と結婚していたのですから。そして叔母の世話をしていた幼なじみと結婚し、ガソリンスタンドを開きます。そして数年後、雪の降るガソリンスタンドで二人は再会します。ここが映画の泣かせ所となります。

子供のころから「シンデレラ」を見ても、王子とシンデレラはその後、幸せに暮らしましたと言われても、どういう風に幸せに暮らしたか、実は晩年は仲が悪かったのではと思ったりしました。この映画でもドヌーブが最初に愛した青年とそのまま結婚した方が二人にとって幸せだったのか、愛は冷めやすく、早い時期に破局を迎えた可能性もあります。結局、今の選択が一番良かったのかもしれません。全編すべてせりふは音楽という実験的な映画で、最初見たときは、その奇妙さに笑ってしまった記憶がありますが、今度見るとそれほど違和感はありませんでした。ふと思い出したのは同時期製作されたオードリヘップバーンの「いつも二人で」という映画です。いわゆるロードムービーというやつですが、倦怠期の夫婦が長期間のドライブ旅行をしますが、夫婦仲は最悪です。旅行を通じて、最初会ったときの若かりし頃のことを双方とも思い出し、もう一度、二人の関係を見直すという筋です。オードリの作品の中では、あまり人気のないものですが、好きな作品です。大恋愛の末の結婚の末路は、こういった経過をたどり、そのまま離婚ということもあり得ますし、結構多いかもしれません。

一緒にレンタルしたのは「オーロラのかなた」。これはタイムスリップもので、複雑な構成をもつ作品ですが、人生の分岐点でその後の人生が大きく変わることを描いています。なかなかの秀作です。あの時、あの場にいなければ、その後の人生は変わっていただろうということは、誰もが経験することです。とくに大きな事件、事故に巻き込まれた場合はそうです。運といえばそうなるのでしようが、とくに恋愛の場合は、こういった要素が多くあります。

「シェルブールの雨傘」においても、母親が傘屋の経営に困って宝石商に自分の宝石を売りにいきますが、そこにいたのが、娘の結婚相手になる若手宝石商です。ドヌーブに恋して、プロポーズします。こういった偶然性はほとんどの恋愛、結婚にあることでしょう。わたしの場合も、こういった偶然性から弘前の地にいるわけですので、人生なんか、何がどうなるかなどわからないものです。

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