2013年4月1日月曜日

a-dec300 その1



 待合室、受付のリフォームに合わせて、開業当初からある古い歯科用ユニットを撤去して、新しいユニットを入れることにした。6年前に購入したアメリカのa-decのユニットが故障が少ないので、同じa-decのものを候補にした。最初に買ったのは最上級のA-dec500というシリーズで、これまで6年間で壊れたのは、3Wayシリンジの水漏れ、水供給ボトルの装着不良であったが、いずれもパッキングの問題で、取扱会社のエーデントから翌日、部品を届けてもらい、それぞれわずか1分で修理完了した。それ以外の故障はない。A—Decはアメリカで圧倒的なシェアをもつ歯科用ユニットメーカであるが、あの広いアメリカ大陸のこと、壊れてもすぐにサービスマンが修理にいける状況ではない。そこでこのメーカーのとった方法は、メインの機械は絶対に壊れないようにし、パッキングのような消耗品、小さな器具はすべて取り替え式にして、故障があれば、そのパーツナンバーの部品を送り、歯科医が部品を交換してもらう。また壊れても手動で何とか動かせようにできている。

 前回、a-dec500を買った後、その廉価版として300 シリーズが出たので、当初、これにしようと思ったが、エーデントのひとに言わせると、座り心地は圧倒的に500>300ということだった。一方、私のような矯正専門医はそれほどタービンやエンジンなどの切削器具は使用しないので、ユニット本体はそれほど高いものである必要はない。そこでチェアーは500、ユニットは300という組み合わせを提案したところ、それも可能とのことであった。500300500のふたつを見積もりしたところ、案外両者に価格差があったので、今回は300500でいくことにした。最近はやや円高で、なおかつ本国の価格も上がっているため、前回より高くなっている。

 土曜日の夜から日曜日の午前中、古いユニットの撤去、移動、新しいユニットの設置を行った。チェーアのベース部分が非常に重く、200kg以上あるため、三階まで人力で運ぶのは大変だった。国産のユニットでこんなに重いものはない。何しろ肥満揃いのアメリカ人、200kgを越える患者にも対応するためにはこれくらいの重さが必要なのだろう。チェアーの構成は6年前のものとほとんど同じであるが、メーカーに言わせれば、故障が報告された部分、例えばオイル関係などは故障のおきないようなものになっているとのことで、次回古いユニットも新しい部品に交換してもらうことになった。同一機種を長く売るやり方の利点は、こういった改良を加えられる点で、故障報告が多くなればなるほど、その部分を強化し、結果的には故障の少ない製品となる。日本の歯科メーカーではNakanishiのタービン、エンジンはこの方法で、世界中で売れている。うちのナカニシのPMTC用のハンディータイプのエンジンも最初、研磨剤はよくつまり故障をした。2度ほど修理に出したところ、ある時、バーと本体の隙間にゴムのパッキングをしてきた。その後、同様の故障は激減した。おそらくここの部分の修理が多く、原因を調べ、改良したのであろう。その後、同社の製品の多くは、そういった構造になっている。

 500シリーズに比べて300シリーズは各部の動きがいくぶん滑らかでない。ライトは明るいが、動きは完全に三次元には動かないし、助手側のホルダーもちゃちい感じがする。国産品に比べると見た目では見劣りがするように思える。19インチのテレビが19000円で売っていたので、今のところこれといった使い道も考えていないが、一応モニタースタンドにつけてもらった。このモニタースタンドも500に比べるとかなりちゃっちくなっている。といってもブラウン管テレビが設置できるようにした500のモニタースタンドがオーバースペックなのだが。タービン、エンジンホルダーも固定式で、細かな調整はできないが、これもそれほど必要な機能ではない。

 全体的な印象としては500の機能から必要最小限の機能を残した構成となったのが300シリーズである。おそらくチェアーについては300より500を選択したのは正解だったと思う。

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