2017年3月17日金曜日

兵器の信頼性



 兵器などの軍需品で最も大切なことは、性能はもちろんですが、耐久性と信頼性が必要です。いくらいい兵器でも実戦で故障して使い物にならないのでは大変なことになります。小銃がすぐに故障したなら、逃げるしか方法はありません。そのため、兵器開発はとてつもないテストが求められ、さらには実戦に投入して、その欠点を探り、改良していく必要があります。自衛隊の主力戦闘機のF15にしても開発開始は1968年、初飛行は1972年、部隊配置は1976年、航空自衛隊の配備は1981年ですから、すでに35年になります。最も安定した機体でしょう。さらに最新の戦闘機F35では検証機の初飛行は2000年、A型では2006年、そして運用開始は2016年と、検証機の初飛行から16年も経過してようやく配備が開始されました。今後、実戦でさらに検証されていくのでしょうが、第二次世界大戦の戦闘機に比べて現代機はコンピューターのかたまりとなり、あらゆる状況を想定すると開発には時間がかかるようです。
 
 こうしたことから、兵器には、新しい性能とともに信頼性と耐久性が求められるため、確立した技術の上に少しずつ改良を加えるやり方が一般的に行われます。例えば海上自衛隊の潜水艦、イージス艦などはその典型で、同型艦を何隻も作り、信頼性を高めています。一方、韓国、中国では、民間企業においても目新しさを追求するあまり、信頼性と耐久性には重きを置かない体質のようです。中国のステルス機やミサイルもお粗末なものでしょうし、韓国にいたってはまともな兵器は存在しません。

  現在、大陸国家である中国が海洋国家を目指して海軍の大幅な拡張をしています。ソ連の中古空母を改良して空母遼寧を作り、二隻目の空母を建造中です。ただ第二次世界大戦から70年以上、空母を作り続け、数多くの実戦を行ってきた米軍に対抗するためには、運用面を含めて追いつくことは絶対にできないことでしょう。日清戦争時の定遠、鎮遠にならなければいいのですが。海軍力の増強は莫大な費用を要します。財政的な圧迫により、国家の破綻を招く恐れがあるように思えます。

 一方、中国の新型、ステルス戦闘機として殲-20が航空ショーで、その飛行を披露しました。全長が20mを越える大型機で、飛行を見ていても、カナード翼があるためかろうじて前後のバランスがとれているような飛行で、とても俊敏な動きはとれそうではありません。1950-60年代のアメリカ空軍の迎撃機、F-102を思い出します。この機体は、ソビエトの核武装爆撃機を迎撃するために開発された機体で、旋回性能などは無視され、上昇力と速度に重点がおかれました。中国の殲−20も遠距離からステルス性能を用いてミサイルを発射する母体という概念でしょう。目視による格闘戦が始まるような状況は想定していないでしょう。現在の戦闘機は制空戦闘だけでなく、爆撃もできるマルチロール機が主体となっています。これは一機種を多数持つことで、生産費を抑えるだけでなく、運用向上も高まるためです。さらに多くの中国機はエンジンをほぼロシア製にたよっているため、ロシアに首根っこを押さえられている状態です。またロシア製エンジンは開発思想がアメリカとは違い、耐久性が低く、寿命は1/10以下とされ、頻回な交換を必要とします。現在、中国は総力を挙げて国産エンジンの開発をしていますが、信頼性、耐久性の低いロシア製にも劣っています。エンジンはその国の工業力レベルをそのまま表すもので、今やアメリカ製エンジンといってもヨーロッパ、日本の工業製品が多く使われています。


 福島原発の内部状況を見るために、多くの日本製ロボットが投入されていますが、どれもすぐにダメになってしまいます。あれだけロボット王国、日本と自慢して、このざまです。唯一、活躍できたのはアメリカのアイロボット社のもので、中国、韓国の兵器は信頼性が低いと言いましたが、日本もこの点ではにたりよったりです。次期主力戦闘機F3を国産でという声も聞きますが、戦後、一回も実戦経験のない日本で作るのは無理で、アメリカの航空会社と共同開発というのが常識でしょう。

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