2021年3月12日金曜日

奈良美智 台湾、台北での個展

 



 弘前市出身の現代画家、奈良美智さんの個展が台北市内の台北芸術大学関渡美術館で312日から620日までの会期で行われる。311日のオープニングには蔡総統も出席した。この個展の準備のために奈良さんは214日に訪台し、2週間のホテルでの外出禁止と1週間の自主健康管理をした後に、個展の準備をした。一つの個展のために大変の思いをして望んだが、これに応えるように台湾政府もほぼ国賓相当の扱いをし、38日には総統官邸を訪れ、蔡総統と朝食を一緒にし、猫と一緒に記念撮影した。

 

 今回の奈良さんの個展は、東日本大震災に対する台湾の支援、友情に対するお礼としての開催であり、台湾での初めての個展である。奈良さんの作品は世界中で引っ張りだこで、同時に行われていたアメリカ、ロサンジェルスでの個展に多くの作品がいっているために、台湾での個展のために新たな大作“Hazy Humid Day”を制作した。その後、すぐにアメリカのダラスに移動し、ここでも次の個展のために準備をしている。台北の会場には代表作である”Midnight Truth”と完全に対になる形で新作の”Hazy Humid Day“が展示され、個展の目玉となっている。日本での個展同様、台湾でも大きな話題となるであろう。期待される。

 

 台湾の蔡総統自身がおもてなしをして個展が開かれたが、あまり日本の大手新聞やメディアに取り上げられないので、このブログで紹介した。

 

 台湾というと中国のパイナップル輸入禁止に端を発した問題から日本では台湾パイナップルが人気が出ている。弘前でも売っていれば、是非買ってみたいが、売っていない。となるとパイナップルを使ったお菓子、パイナップルケーキとなる。いろんな種類があるが、個人的に一番好きなのは、やはり“Sunny Hills”のパイナップルケーキで、これは以前、台湾に行った時に知人の先生からいただいたものである。日本でも東京は南青山、大阪ではJR大阪駅に店舗があるし、通販でも買える。少し高いが、お洒落度が際立ち、素敵な布袋に入っている。パイナップル以外にも青森産紅玉を利用したりんごケーキもあるが、やはりパイナップルケーキの方がうまい。訪問時のお土産に絶対にお勧めできるものである。

 

 奈良美智さんの個展は、アジアでは確か香港でしたようだが、できれば、中国本土、韓国、タイなどでも開催してほしいし、個人的には是非とも弘前レンガ倉庫美術館で、大規模な個展をしてほしいと思っている。コロナ問題のせいで、何もかもが中止、延期されてきたが、ようやく少しずつであるが、美術展も開催されてきた。美術なんて生活に関係ないと思うかもしれないが、奈良さんの弘前で行なったA to Z展では不思議な感覚を持った。レンガ倉庫に二階、広い空間に人間の形をした小さな島があり、周囲には大海原が広がっている。広い宇宙の中にはこうした世界もありそうで、一瞬、この星に空間移動したような感覚を持った。明らかに日常を忘れる世界がそこにあった。こうした経験は滅多にできるものではなく、アートの持つ力なのだろう。









0 件のコメント: