2021年3月1日月曜日

COの処置 

 

CO要観察歯(日本学校歯科医会より)

CO(学校歯科医会より)、今回はもっと小さなCであった

学校歯科パンフレットより


 COというのは、慢性の進行が遅い、虫歯のことで、私も第二大臼歯の4本は黒く着色しているが、すでにそういう状態で50年以上進んでいない。こうした歯は案外多く、新潟、酒田の日吉歯科、熊谷先生は30年以上前から、COは経過観察し、進行するようだったら治療するように指導してきた。ただ残念なことに経過観察している歯がすぐに違う歯科医院で治療されてしまうと嘆いていた。昔、虫歯は早めに治療するように言われていたが、進行性でなければ、すぐに治療する必要はないと個人的に思っている。COのまま放っておくより、あまり上手くないレジン充填の方がよほど悪くなる可能性は高く、治療介入することでかえって予後を悪くする。今の患者さんは、昔に比べて虫歯も少なく、あったとしてもCOの場合も多い。ただ歯科医院によっては、虫歯だからとすぐに削って詰めるところもあるので、数年以上そのまま変化していなければ、歯科医にCOじゃないかと言って欲しい。もしダイアグノデントという虫歯の程度を数値化する機械があれば、それで測ってもらうか、経過観察にしてもらうことを勧める。

 

 患者さんにどこで虫歯の治療をすればいいですかとよく聞かれるが、いつも行く歯科医院にいってくださいと必ずいう。なぜなら歯科医というのはおかしな習性を持ち、多くの歯科医は自分のところが最高の治療をしていると考えている。そのため、他院で治療したところはやり直しするところが多い。先にあげた歯科医院の治療でもおそらく他院に行けばやり直しとなる。そして、つめたところをやり直す場合は必ず前より歯を大きく削ることになり、何軒も歯科医院を変えるたびに、どんどん歯を削り、処置範囲も大きくなる。そういうことを避けるためにも同じ、かかりつけ医に行き、進行している歯についてのみ治すのが一番よいことになる。さらにひどいケースになると、弘前の方でインレーなどの金属で治療したところを、進学などで東京に行くと、白いのに変えた方がよいと説得され、悪くなくても全てCAD-CAMのセラミックや硬質レジンインレーや冠に変えられるケースが多い。それに伴い削る量が増え、今度は破折してインレーは冠に、冠は抜歯、インプラントとなる。これなどは医療というよりは金儲けとしか言いようがない。ちなみにこうした歯科医に聞くと必ず患者が白い歯を希望したというが、これは嘘で、歯科医がそうするように勧めた場合がほとんどである。

 

 できればかかりつけの歯科医院を決め、そこを信頼してずっと通うことが、歯の予防には一番よく、特に40歳以上になれば、虫歯の問題は少なくなっても、歯周病の問題が出るので、必ず、定期的に歯科医院でメンテナンスをしてもらうことが大切である。私の尊敬する先生は、患者が高齢者施設に入っても、往診をし、最後まで診たいと言っていたが、こうした主治医を持てれば最高であろう。

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