2021年8月9日月曜日

日本にも世界的GKが欲しい

 


 東京オリンピックもようやく終了した。暑い時期のオリンピック、出場選手はさぞかし大変だったと思うが、よく健闘したと思う。個人的にはサッカーに最も注目したが、結果は惜しいことにベスト4で、悲願のメダルにはあと一歩であった。惜しかった。チームとして、よく訓練されており、一次リーグでは、これ以上ない調子で、絶対に負けると考えていたメキシコ戦でもあっさりと勝ち、これはメダルを取れると思ったが、そうはいかないのがスポーツである。

 

 久保、堂安も素晴らしかったが、最後の3位決定戦で途中から出た三苫薫選手には驚いた。普段あまりJリーグを見ていないので、これほどドリブルが得意な選手とは知らなかった。たまに川崎フロンターレの試合をダイジェストで見て、そのゴールシーンのみ見ているが、あのメキシコ選手三名をいなすドリブルはすごい。メッシのようなボールが足に絡みつくようなドリブルではないが、なかなか奪われないドリブルで不思議である。確かにスピードはあるが、それほど早いように思えず。おそらく切り返し、あるいは最初の一歩のスピードが他の選手よりコンマ数秒、早いのだろう。オリンピック終了後にイギリスのプレミアリーグに移籍するようなので、その活躍を期待するし、海外の選手にもドリブルが十分に通用するなら、次回のワールドカップでの活躍も期待できる。

 

 あと今回の選手の中では、ゴールキーパーの谷晃生の活躍も大きかった。身長も高く、今後の練習と経験により日本代表の正ゴールキーパーも狙える。3位決定戦の延長後半の失点は、本人にとって悔しい失点であったろう。失点時のビデオを見ると、ごくわずかであるが、ポジショニングが狂っている。キーパーの正しいポジショニングはボールとゴール真ん中を結ぶ線上にあることで、この失点シーンでは、ボールが体より30cm左にあったのに対して谷のポジショニングは相手の体に合わせていた。つまり30cm分、ポジショニングが左にずれていた。たとえ、ポジショニングが正しくてもあのボールが取れたかはわからないが、過去の名ゴールキーパーはあの球は弾いていた。あの失点を防げるかどうかが、世界的なGKと日本のGKの違いである。

 

 オリンピックもそうだが、ワールドカップでも、上位にいくためには、GKのスーパーセーブがどうしても必要であり、まだ年齢も20歳ということで、早めにイギリス、ドイツ、イタリアなどのクラブに移籍し、世界的に通用するGKになってもらいたい。河口や川島といった日本を代表するGKも、海外では活躍できなかった。それ以外のFWMFDFのポジションはほぼ日本人でも通用しているが、唯一、GKだけがいまだに海外で通用していない。ポジション二ングのわずか30cmのズレではあるが、こうしたミスを一試合中になくし、試合の勝敗を決めるビッグセーブを連発することが求められる。GKが世界的なレベルに達して初めて日本代表もワールドカップでベスト4に入ることができよう。イギリスのプレミアリーグで言えば、GKは各国の代表GKが多く、セネガル代表、フランス代表、ポルトガル代表、アルゼンチン代表、スペイン代表、ブラジル代表、ドイツ代表、ポーランド代表、アイルランド代表、スロバキアなどがいる。アジア人のGKは、フィリピン代表GKのエザリッチがカーディフ・シティーで出場し、オーストラリアのマット・ライアンもプレミアリーグで活躍している。過去にはイラン代表やオマーン代表もプレミアリーグに出場した。

 オリンピックは選手のパーフォマンスを世界に知らせるいい機会であり、あの一発を防げれば、谷選手の評価も高まり、ヨーロッパへの道も開けたかもしれないので、わずか30cmズレといってもそのズレは大きい。メキシコ代表GKのオチョアのポジショニングは素晴らしい。



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