2021年10月4日月曜日

電動アシスト自転車

 



 ここ数年、ヤマハが開発した電動アシスト自転車が、E-bikeとして欧米から逆輸入されるような形で、世界的に人気が出ている。ヤマハが世界で最初の電動アシスト自転車を販売したのが1993年で、小さなモーターとバッテリーで、坂道などで自転車を漕ぐのを手助けする自転車であった。その後、普通の自転車に比べて高かったこともあり、日本で主としては体力の落ちた中高年に売れた。通常のいわゆるママチャリのデザインで、若者向けのものではない。

 

 2000年を過ぎる頃から、地球温暖化が騒がれるようになり、脱炭素化の一環としてヨーロッパでは、自転車による移動が見直されるようになり、街中への自動車の進入禁止が行われるようになり、それに伴い、自転車道の整備、鉄道への自転車の持ち込みなどを行われるようになってきた。こうした動きに、若者は敏感に反応し、それまで職場に自動車で通っていたのを自転車で通うようになり、一時は廃れていた自転車が徐々に人気が出てきた。

 

 日本でもこうしたヨーロッパでの、自転車人気がブルータスなどのお洒落雑誌で紹介されるようになり、折り畳み自転車やロードバイクに人気が出たのがここ十年くらいで、弘前でもレーシングウエアーをきたサイクリストがロードバイクで走っている光景が普通に見られるようになってきた。新たな自転車ブームである。この流れは一向に収まる気配はなく、自転車フレームも、クロモリからアルミ、そしてチタンやカーボンに向かい、今またクロモリも見直されている。また20年前は荒れ地を走るマウンテンバイクの人気が高かったが、ここ十年は軽くて早いロードバイクあるいはクロスバイク、そして折りたたみ自転車も人気が高い。

 

 こうした流れの中で、一つの事件が起こった。ある自転車レースで、電動アシスト自転車を用いた、メカニカルドーピング事件が起こった。外観からはほとんど分からないほど、小型、軽量化されたのである。元々はヤハマが開発したシステムであるが、特許が切れたのか、ドイツのボッシュなどが小型で優れたモーターを開発し、こうした機械を用いた若者向けの電動アシスト自転車が販売されるようになった。ここ数年のことである。最近ではバッテリーの小型化からフレーム内にバッテリーを挿入し、予備バッテリーをボトルホルダーにつけるようになっている。日本では上限のスピードが25kmにリミットがかかっているが、外国ではそうしたリミットがなかったり、さらに高い速度となり、そのスピード感も若者に人気があった。

 

 さらにこのコロナ禍で、気分転換のために外で自転車に乗るという人が増え、その流れの中で電動アシスト自転車の人気が出てきた。アメリカのキャノンデール、トレック、スペシャライズド、台湾のジャイアントなどが、かっこいいE-bikeを販売しているが、発明者のヤマハが完全にこうした時代の流れに乗り遅れ、部品メーカーのシマノのモーターもパッとしない。

 

 私もこの歳になると自転車で坂道を登るのはかなりきつく、できればE-bikeが欲しいと近くの自転車に行ったが、びっくりするほど値段が高い。とりわけかっこいいスペシャライズドのe-bikeは人気があるのか、最近まで38万円くらいのものが、今年は45万円と7万円くらい値上げしている。本体だけなら10から15万円くらいの自転車だが、それにモーターとバッテリーをつけて3倍くらいの値段で売っている。ピナレロやビアンキのロードバイクでも45万円くらいのものとなると、カーボンフレーム、シマノの高級パーツで組んだ自転車が買える。また45万円あれば、125ccのオートバイが買え、例えば、ヤマハの3輪車、トリシティ12542万円なので安い。流石に、電動アシスト自転車が125ccバイクより高いのはどうかと思う。

 

このところ、e-bikeは売れるためか、欧米の会社がかなり強気の値段をつけている。そうした目から見ると、国産のヤマハのYPJTC33万円くらい、また台湾のGiantEscape R X30万円くらいで、いずれもかなり高いし、重量もあるが、それでもお得感がある。

0 件のコメント: