世界の富裕層向けの旅行では、一週間の予算で一人1000万円以上という。金には糸目をつけないが、最高の経験をしたい人である。こうした超富裕層向けのトラベルガイド会社もあり、客の要望に沿って、旅行の計画をしていく。最近読んだスティーブ・ジョブズ1.0の真実では、こうした超VIPの客に関しては、タクシードライバー、寿司屋、旅館などが決まっており、ジョブズは京都ではいつも俵屋旅館に泊まる。まあトラベル会社からすれば、客の無理の要求があっても東京、京都、大阪では何とかなるであろう。ところがもし客が青森県に行きたいと言えば、どういった旅行計画を立てるだろうか。金は無限だが、お客には満足をしてもらわなくてはいけない。世界中のあらゆる豪華ホテル、レストランに知っている客である。
20年前のことだが、藤崎のアップルホテルにアメリカの名門、モルガン家の人が夫婦で来た。秘書が藤崎の出身だったので、ここを選んだという。地元の人との交流会もあり、モルガンさんと皆から呼ばれ、満足して帰り、その後、また来たようだ。もちろんアップルホテル側では最高に部屋に泊まってもらい、最高の料理を出したのであろうが、いかんせん、そんな高級な部屋、料理はなく、当時でいえば、一人あたりの宿泊費は朝夕の二食込みで一人1万円くらいだった。モルガンさんからすれば、散々、高級ホテルに行ったし、豪華な食事をしたのだが、一周回って、こうしたチープな宿と食事が面白かったのだろう。これは参考にならない。
少し違う話であるが、弘前ロータリークラブに入っていた頃の話だが、ある年、弘前ロータリーで地区大会を行うことになった。その懇親会をどこでするということになり、それでは弘前公園の本丸にテントをはり、そこで野外の懇親会をして花火も上げればいいのではという提案があった。流石に重要文化財でそんなことはできまいと思っていたが、皆、何とかなると平気で言っていた。ロータリークラブの名士なら、市長ともツウーカーそんなこともできるのだろうとその時は思った。結局、雨が降ると大変ということで、旧弘前偕行社で懇親会を行った。ここで懇親会を開くというのも難しいことだが。
ということは弘前ではコネとそれに見合う費用を出せば、通常の観光地以外のこともできそうである。そうした意味で、不可能なことも含めて、ウルトラ富裕層のガイドプランを考えてみたい。
弘前市、あるいは周辺の高いホテル、旅館といえば、星野リゾートの界・津軽か、最近できた1日1組限定のOTTABIOがある。いずれも食事付きで一名3−5万円くらいのハイクラスのホテルである。ただ1日100万円以上の予算のウルトラ富裕層にはこれでも安いが、これ以上に高いホテルは青森にはない。そこで普段は宿泊できない施設も含めて考える。まずお寺、実際、弘前の最勝院で1日1組限定の寺泊をしている。これは滅多にない経験ができる。朝食は精進料理が提供される。できれば、夕食はここから近い日本料理の「陽」か、イタリア料理の「サッシーノ」を勧める。日本最高の津軽三味線奏者、渋谷和生さんの生演奏を夜の五重塔前で聴く、最高の贅沢である。他の候補としては、藤田記念庭園内の日本家屋や平川市の盛美園も交渉すれば宿泊可能である。食事は、陽あるいはサッシーノから出張料理で、風呂は藤田記念庭園ではトレーラーハウス、盛美園ではアップルランドの温泉を貸切でいいだろう。ベッドやソファーは最高級、あるいは客が希望するものをあらかじめ運び、セッテングすればよかろう。最高のスタッフを配置してサービスを行う。
多分、現実的なウルトラリッチ層(外国)に対する弘前観光としては
1日目
青森空港―ハイヤーにて弘前観光 ― 陽(夕食)― 最勝院
五重塔前で津軽三味線(渋谷和生演奏)、津軽手踊り
2日目
ハイヤーにて白神山地―散策―森林でのキャンピング(コック、ベッドなど全て持ち込み)
3日目
ハイヤーで青森空港
寺での瞑想という体験と世界遺産での自然をゆっくり楽しむプランで、天候、季節にめぐまれれば最高の旅行となろう。

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