2008年3月28日金曜日

弘前偕行社




先週の日曜日、散歩がてらに松森町のあたりに行くと、新しい道が出来ていました。道に沿って歩いていると上の写真のような旧偕行社の門が目につきました。偕行社といえば第八師団の将校クラブで、今は弘前厚生学院記念館になっています。これまで厚生学院の施設の奥の方にあったのは知っていましたが、入り口がここにあるのは知りませんでした。さすがに師団の将校クラブ、門から見るとさらに立派なものです。弘前の生んだ名工堀江佐吉の作で1907年に完成され、今年で101年になります。現在、国の重要文化財に指定されているようです。こういった旧軍の施設は戦後とりつぶされることが多く、今でも残っているのは旭川、金沢、豊橋、岡山、善通寺と弘前の6カ所だけのようです。とりわけ弘前の偕行社は規模あるいは庭園も含めた施設としては全国有数のものと思います。戦後、色々とあったと思いますが、こうした形で残っていることはすばらしいことと思います。
 私自身中に入ったことはありませんが、現在も施設として使われ、観光客は外から垣間みるというのもいいように思えます。何でも公開して観光地にするより、こうしたひっそりと置いておかれる方が、手あかがつかず、かえって時代空間が残されるように感じます。映画「八甲田山」の撮影にもここが使われていたようですが、まさにうってつけの舞台です。
 偕行社の裏にも古い建物が二軒ほどあります。三角屋根の建物で、昭和初期ころの軍関係者のものかと思います。今でも誰かが住んでいるようなので写真は公開しませんが、実をいうとこういった民家の保存がより困難です。近くの「太宰治まなびの家」には昭和初期の建物が保存されています。いつ行ってもがらがらですが、残す価値のある建物と思います。以前、東京の小金井に江戸東京たてもの園という施設に行ったことがあります。江戸から昭和初期の建物が展示されています。ここもがらがらですが、結構おもしろく、高橋是清が二・二・六事件で暗殺された部屋と思うと歴史のリアリティーを実感できます。太宰の下宿についてはいずれ紹介します。

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