2018年2月2日金曜日

最近のパタゴニアR2




 パタゴニアR2は好きな衣料のひとつである。普通、気に入った服というと、かっこいい、デザインが好きというものだが、ことR2については動きやすさ、着心地、防寒性などの機能的な点が気に入っている。最初に買ったのが、2012年だから6年前になり、それ以来、2014年にもう一着、通販で買ったが、これはあまりに小さく家内にやった。その後、何度か、大阪や東京で新しい年度のR2を試すが、どうもきつい。サイズをMからLに上げると、大きすぎる。同じ赤のR2ばかり着ているが、どうも色が目立って外出に着ていくのは恥ずかしくなった。昨年、2017年のR2を試すと、これもややきついがそれでも2016年よりは多少ましと思い、購入した。色は黒なので外でも着れる。

 今年の冬は寒く、中間着として新しく買ったR2は活躍していて、ほぼ毎日のように使っている。私の体格は、身長176cmで、体重はタバコをやめたため、一気に増えて82kg、ウエストは86cmである。日本人としては肥満に分類され、メタボ指導の対象となる。ただアメリカ人の平均をみると、身長は178cm、体重は87kg、ウエスト99cmだから、身長は平均より2cmほど低いが、体重は5kg、ウエストは13cm小さく、そういう意味では日本ではLサイズかLLサイズだが、アメリカではMサイズで充分と言えよう。LLビーンなどは20年前から購入しているがほぼMサイズで、袖丈はかなり長いが、他は大体ピッタリである。むしろ昔よりサイズが大きくなっている感じがする。実際、アメリカ人の体重、ウエストはここ十年でかなり大きくなっている。

 ところが、パタゴニアは十年前より同じMサイズでも小さくなっている。胴回り、肩の部分が小さくなり、逆に袖丈は長くなっている。どういうことであろうか。写真を見てもらえばわかるが、2012年と2017年では、胸囲で6cm以上、腕周りも2cm以上小さくなっている。着丈はほぼ同じだが、袖丈は2cmほど長くなっている。平均のアメリカ人の体格は大きくなっているのに、逆にパタゴニア製品は小さくなっている。そういえば、以前、アメリカからの留学生(高校生)を4か月ほど預かったころがあるが、彼、彼女の服はどれもピチピチで体にぴったりしてものだった。とくに女の子は、日本人からすれば太った部類に入るが、TシャツはSサイズをきていた。着るのも大変なほど、きつい。若者には筋肉質あるいは、バストをはっきりと示すことができるピッタリした服が好まれるのであろう。

 パタゴニアが対象とするユーザは実際に山に登るクライマーであり、彼等にとって衣料は生死に直結する。冬山で遭難した場合、言っちゃ悪いがユニクロの羽毛服ではダメだが、パタゴニアの羽毛服では助かることは十分ありうえる。それ故、クライマーは多少値段が高くても信頼の置ける衣料を求める。パタゴニアのRシリーズ、とくにR1R2は中間着として用いるので、できるだけ、動きやすく、かさばらないのがよい。とくにクラミングではできるだけ、体にフィットしたタイトのものが動きやすい。そうしたクライマーの声は反映して、ここ数年のパタゴニアのR2はスリムになったのだろう。これは羽毛服などアウターにも同じ傾向があり、昔の羽毛服は布団のように厚かったが、今の羽毛服はかなりスリムになっている。
 
 パタゴニアとしては、本格的な山登りをしないおじさん用に、レトロパイルジャケットを用意しているが、これはどちらかと言うと外で着るアウターシェルであるし、重いし、動きにくい。私のような年配者には、部屋の中で着れるレトロR2というか、2012年当時の少しゆったりしたサイズのR2を用意してほしいものだ。ちなみに93歳になる母親にはR2とR3、87歳の伯母さんには2着のR2を送ったがすっかり気に入り、もはやウールのセーターは着れないようである。

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