2018年3月8日木曜日

F-3 共同開発


 一部の飛行機マニアから期待されていたのが次期主力戦闘機F3の国産開発で、当然F35のようなステルス機になるわけで、先進技術実証機のX-2が比較的、順調な試験飛行を見せてくれたので期待が高まった。ただ実際の戦闘機となると実戦を想定した多くの開発箇所があり、X-2を単純に大きくしたものではなく、防衛省も開発費が2兆円といっているが、あらゆる実戦形態を想定するともっと開発費は膨らむであろうし、そもそも戦闘経験のない日本が単独で戦闘機を開発することはできない。こうしたことから政府は国産開発を断念し、既存機の改良を視野に新戦闘機の開発することになった。

 もちろんF35については、A型だけでなく、自衛隊の軽空母でも活用が可能なB型の導入も進むであろう。ただ同一機種のみで空軍を編成するのは整備面でよくても、機体の大きな欠陥がでると、大きなダメージを受ける。ことに最近の機種はほぼデジタル化しており、戦闘機といえどもハッカーによる攻撃を受ける可能性がある。さらに一機の価格が150億円と高騰しており、海上自衛隊の掃海艇一隻に匹敵し、戦車なら20台は買える価格である。できればもっと安くて数を揃えられる機種がほしい。例えば偵察機、爆撃機などの領空侵犯に対しては、わざわざステルス機F35を発進させる必要はない。自衛隊の仮想敵国が中国とロシアであるなら、どちらも大量の飛行機を保有しており、少数精鋭の戦闘機で相手にできない。少なくとも個々の戦闘局面では少なくとも1対3くらいの戦闘機数は必要であり、いくらF35がステルス機であるといっても搭載ミサイル数から15以上であれば戦えない。中国空軍は自衛隊のF15相当の機種、J-10Su-27などをすでに600機以上、装備しており、航空自衛隊のF-15200機とF-290機で(F-4は除外)、すでに保有戦闘機は中国の半分以下になっており、F-35の調達が今のところ42機、今後増やすとしても、中国空軍の増加を考えると、1/3になるのも近い。

 すでにF4の引退が相当遅れ、さらにF-15の交代も差し迫っている。こうした点から次期主力戦闘機F3の開発が急がれる。共同開発が決まり、その相手としては実績のあるアメリカのロッキード社が最もいいのかもしれないが、基本的にはB-35と変わらない機種しか開発できず、できれば他社との開発が望ましい。現用機としてF-18しか生産を行っているボーイング社が最も望ましいが、せっかくX-2による実証実験データーがあるなら、スウェーデンのSAAB社、イギリスのロールスロイスと共同開発して、傑作機サーブ39グリペンの後継機を開発した方が日本の主導権が得られて、より日本の国防にあった機体を取得できる。小型、低価格、それでいて迎撃だけならステルス、爆撃も可能な機種は、B-35との併用ができる。どうもF-35もそうであるが、アメリカ企業の開発費が高騰しており、それに比べて日本企業、三菱重工などの開発費は安い。おそらくは軍装備には市場経済の法則が適用されていないのであろう。それに対して、日本企業はそもそも防衛費で稼ごうと考えていないので、極力低予算で開発する傾向があり、これは低価格で戦闘機を売っているSAAB社同様である。両者が手を結ぶことが開発費の点でも安上がりになるし、エンジンはIHIとロールスロイス、機体製造をSAAB社と三菱重工で共同開発、場合によってはボーイングも加えることで、実戦に耐える低価格の第五世代の戦闘機を提供することができるかもしれない。さらにこうした機体は次世代戦闘機を検討している各国で売れそうで、開発費の回収もできる。先進技術実証機のX2は全長14.2m、グリペン3914.1mで重量もほぼ同じ、X2は国産のXF5エンジン2機で10トン、グリペン39の最新型E型で、エンジンは単発で14トン〜22トンと大きく、IHIが現在開発している1720トン級のエンジンがロールスロイスとの協力でできれば、高性能の小型のステルス機の開発は現実味を持つ。

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