2022年6月13日月曜日

日本が強い分野

 






日本製といえば、真っ先に浮かぶのがトヨタ、ホンダなどの自動車産業であるが、それ以外にも日本が強い分野が数多くある。

 

世界中の小型船に使われる船外機は、日本は圧倒的なシェアを誇り、ヤマハが40%、スズキが15%、ホンダが6%とほぼ60%が日本製である。高級クルーザだけでなく、アフリカの漁民が使う小さな船にもヤマハの船外機が使われている。海上でエンジンが止まった時のことを考えると、故障が少なく、信頼性の高い日本製を重視するのはわかる。

 

また釣り具の世界シェアを見ると、日本のグローブライト(ダイワ)が6.1%、シマノが5.4%と世界一位、二位を日本勢が占める。いずれも高級フィッシング機材として日本の2社が、人気がある。さらに日本製が圧倒的に強いのが、自転車部品メーカーのシマノで、世界の変速機やブレーキなどの自転車部品のシェアの85%を占める。さらにすごいことは、シマノの最高級製品、ディラエースは、値段も高いが、世界中の自転車レースでほとんど使われ、完全にブランド化している。高くてもここの製品を買う。つい40年前にはまだまだイタリアのカンパニョーロというメーカーがカメラのライカのような扱いで高級ブランド化していて、シマノはそうした方面では二番手であったが、最近では完全に追い越した。ただ残念なことは最近、流行しているE-bikeの分野で、その主体となるモーター、これは日本のヤマハの専売特許であったが、最近はドイツのボッシュの方が高級E-bikeに使われ、ヤマハのブランド化は失敗した。日本国内のママチャリ電動バイクに主眼をおいた結果である。それでもE-bike、アシストバイクの先鞭をつけた功績は大きい。

 

意外なものが、世界的に人気がある。理髪店や美容院で使うプロ用の理美容鋏で、日本製が値段がすごく高いにも関わらず、その切れ味と耐久性で世界中の理髪師に人気がある。とりわけ和歌山県の菊井鋏製作所や千葉県の水谷鋏製作所は、日本の理髪師、美容師のほとんどが使うブランド鋏メーカーで、これまでは国内向けに販売していたが、アメリカをはじめ徐々に世界中に売れはじめている。さらに料理包丁や爪切り鋏も人気がある。

 

建設機械では、日本のメーカーも健闘しており、一位はアメリカの巨大メーカー、キャタピラ社であるが、二位は日本のコマツ、そして三位は日立建機となっている。日本製は耐久性があり、これらのメーカーの中古品もアジアやアフリカでは人気がある。アメリカのキャタピラ社は、戦車のモチーフとなるキャタピラが同社の登録商標であることから、その歴史がわかる。

 

ファスナーでは、YKKが圧倒的に強く、シェアは45%であるが、宇宙服から吊り橋用のファスナーまで作っており、他を寄せ付けない会社である。工業用ミシンではJUKI30%のシェアを誇る。また医療機材では、オリンパスが内視鏡シェアの70%を、家庭用血圧計ではオムロンが、また歯科用エアータービンはおそらく日本のNAKANISIがシェアトップだろう。卓球ラケットはバタフライが、バレーボールやバスケットボールでは、モルテンとミカサが二強となるし、ハンマー投げや砲丸投げなどの投擲用具ではニシ・スポーツが強い。また船舶用スクリューではナカニシプロペラがシェア30%でトップ、ボタンのアイリスも国内最大シェアを誇るだけではなく、海外有名ブランドで使用されている。小型モーターの分野では、マブチが世界シェアの50%以上を、また音楽楽器ではヤマハ楽器が世界シェアの24%で圧倒的に強く、二位は同じく日本のローランドで5.7%、そして三位がカワイで5.5%となる。家庭用ゲームとなるとかってはセガ、アタリ、マイクロソフト(Xbox)などもあったが、今はソニーと任天堂が独占している。もちろんカメラの分野ではニコン、キャノンなど日本製が大半を占める。

 

こうして見ると日本の産業はまだまだ捨てたものではないが、金を直接うむ銀行では10位に三菱UFJ銀行が入るだけです。さらに問題なのは資産運用会社で、ほぼ20位までがアメリカの会社が独占し(17社)、さらにこの20社で世界の運用資産残高の43%、おおよそ43兆ドルを占有している。アメリカに経済を牛耳られている。一番楽して儲けるシステムで世界を牛耳っているのがアメリカである。

 

アジアにおける近代的産業のほとんどは日本が最初であり、車、オートバイ、船舶、鉄道、飛行機、鉄から、ほとんどありとあらゆるものが、日本がアジアの嚆矢となっている。中国の大国化は近年目覚ましいが、近代産業で日本より中国の方が早かったものは知らないし、いまだに韓国、中国にはブランド品と呼ばれるものは存在しない。逆に問題なのは、韓国、中国、台湾など勢いのある国は、これまで先を進む日本を模倣すればよかったが、追いついた途端、自分で開発しなくてはならなくなった。日本企業、特に家電企業は、サムソン、ハイアールの方法を学び、これらの企業が成功してから作る二番煎じ作戦をとるようになった。結果、サムソンはカメラ、製薬など他部門に手を出すが、どれも失敗に終わり、産む苦しさに悶えている。そしてようやく売れるようなると、日本企業が真似する。世界初の薄型テレビ、IHクッキングヒーター、ウオークマン(アイフォンのヒント)、QRコードのような画期的な発明は日本起源であり、どうもこうした日本の発明に相当するようなものは中国、韓国からも出ていない。そのためサムソン、ハイアールが家電の首位に立った時点から新しい概念の家電は登場していない。

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