2009年2月2日月曜日
津軽打刃物
ロータリの会員の吉澤さんに注文していたナイフがようやく出来上がりました。すべて手作りで鉄の鍛錬から延ばし、成形、研ぎ、仕上げまで一人でやっていて、おまけに営業までやっているようで、大変忙しい中、作ってもらい感謝しています。
津軽の包丁、ナイフといっても地元もひともほとんど知られていません。医院の近くに鍛冶屋があって、包丁を作っており、東京の三越で売っているといった噂は聞いたことはありますが、どんなものか、地元のデパートにも置かれていませんのでわかりませんでした。ところが昨年、津軽塗とともに津軽打刃物がなんとJAPANブランドに選ばれ、これは日本の名産品を世界中の発信するというプロジェクトですが、この1月末にもパリで展覧会が行われました。日本を代表する工芸品に選ばれた訳です。
もともと吉澤さんのところも藩祖津軽為信のころから300年以上日本刀を作り続けていた名家でしたが、明治以降日本刀が全く売れず、ほそぼそと作っていたようです。今でも主たる製品は建築用の鉄鋼製品だそうです。今や日本中の多くの鍛冶が廃業しましたが、ここが津軽のすごいところですが、何軒かは今でも鍛冶家が残っていました。このうち3人が「情張鍛人(じょっぱりかぬち)」というグループを作り活動し始めました。
ご存知のように津軽はリンゴ王国で、その栽培には多くの手間がかかりますし、木の選定や枝切り、摘み取りなどに多くの刃物が使われます。プロの農家は、こういった刃物の今でも鍛冶屋に頼むため、何とか今でも鍛冶屋が存続できた訳です。僕たちが治療に使う刃物も1本が2、3万円しますが、プロが使う道具は長年使えて、機能が優れていなくてもいけません。農家にしても安価な刃物より切れなくなれば、研げるようなものを利用するのです。
見ていただければわかると思いますが、暗紋・積層鍛という独特の文様が入っていて、非常に美しいものです。なんだが縄文を連想させるような文様で、あまりこうした刃物は見たことありません。切れ味もばつぐんで、特に木はよく切れます。さきほど鉛筆を削っていましたが、あまりきもちよく切れるので、丸裸になってしまいました。ただ用途は違うのか野菜や肉を切るのは包丁の方がよさそうです。それより眺めているだけで美しいと思いました。ちょうどもうひとりのロータリーの会員が包丁を買ったので、見せてもらいましたが、刀紋もありもろ日本刀でちょっとこわい感じがしました。
パリの展覧会を通じて、欧米のひとにももっと知ってほしいと思います(http://japanbrand.sdigrp.com/expo/jp/list3.html)。うれしいことに吉澤さんのところにも若いひとが弟子入りし、がんばっています。これからも伝統が続いてほしいものです。多くの製品がありますので、ホームページを見てください(http://www.t-ironworks.jp/introduction/nife.html)。値段は書いていませんが、上の写真の小さい方で12000円、大きい方で15000円くらいだったと思います(間違っていたらすいません)。注文を受けて製作することが多いため、納期は少しかかると思います。
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