2017年1月15日日曜日

須藤かく 追加

横山松三郎(西田耕平か?としましたが、指摘があり、横山の自画像でした)


 正月から“須藤かく”のことを、これまでのブログを中心にまとめている。資料が少なく、100ページくらいの小册になるかと思うが、写真を多くしてビジュアルで理解してもらおうと思っているので、そこそこのものができるかと考えている。
正月に集中的にアメリカの古い新聞を検索サイトで調べたが、これまではっきりしなかったことも少しずつわかってきたので併せて書くつもりだ。ただ現時点でどうしてもわからないことがあり、これをきちんと調べてから出版するかどうか悩んでいる。

1.      阿部はなについて
横浜プロテスタント史研究会報No572015.11.15)に「女性宣教師Dr.アダリーンD.H.ケルシー」(安部純子)という論文がある。これまでケルシー女史の名についてはアデリンといていたが、マウントホリヨーク大学が所蔵するケルシーの直筆手紙をみると、安部先生が言うように、“Adaline”となっており、アダリーンが正しいのだろう。ただアメリカ人でも馴染みの薄い名なのか
Adeline”とされているものが多い(国勢調査も)。安部先生の論文では、阿部はなは東京府出身、阿部定右衛門の長女としており、この出典はわかないが、父親の名は定右衛門でいいのだろう。それ以上の情報はない。死亡証明書に父親の氏名が載っているかと思い、アメリカにはネットで死亡証明書を取り寄せることができるサイトがあるので、早速、手続きをしたが、アメリカ国籍のID提示を求められ断念した。

2.      成田よそきちについて
“よそきち”は、おそらく与惣吉か四十吉と思うが、はっきりしない。父親の名は”Hijoya”であるが、“ヒジョーヤ”という名は存在しないので、“ヒヨーヤ”とすると、弘前藩の卒族の中に成田兵弥“という人物が存在する。これはほぼ確定できた。ただ代数調でも先祖名はあるが、子供の名がなく、はっきりしない。横浜の海外移住資料館に問い合わせたところ、御丁寧にお調べいただいたが、戦前の各種の北米移民名簿に載っておらず、外務省の外交資料館にある明治の外国旅券下付記録にあるかもしれないとのことであった。東京に行って、マイクロフィルムにある名を探すのに躊躇している

3.      岡見京について
 横浜共立女学校の同窓でペンシルベニア女子医科大学を卒業した岡見京(西田ケイ)について、少し触れようと考えているが、昨年発刊された「ディスカバー岡見京(堀田国元著、自費出版)が唯一の評伝で大変、役に立つ。ただこの本では西田ケイの父、西田耕平について、あまりくわしく書かれていないので、青森県人名大辞典から引用する。
「西田耕平(にしだ・こうへい) 生歿不祥 明治初期商業に従事。下北郡大畑の人。若くして江戸に出て商業に従事した。江戸で生活した頃は、盛岡藩のために働き士分に採用されたが、元来自由な行動を喜び、束縛を好まず、辞退した。幕末のころ、横浜の貿易商岡田平作と懇意になり、戊辰戦争以前より佐幕方と多く取引をしていたが、戦況不利となり貸し倒れとなった。晩年商売不振となったが、渋沢栄一ら知己の巨商と提携して商業講習所を設立した。これは今日の商工会議所の前身である。横浜の外国商館の番頭を勤めながら英語を勉強したが、特の商人に外国人に忠勤をするのは思わしくないと非難されたエピソードがある.」
娘のケイを横浜共立女学校に入れ、アメリカの医学校の留学させる資金は十分にあったと思われる。明治の写真家、横山松三郎の写真に“西田耕平像”というものがある。西田耕平は松三郎とは箱館時代からの友人で、箱館商人、西田屋文兵衛と同一人物か。
http://archive.fo/GObdh
ただ引用した松三郎の撮った写真“西田耕平像”には“鈴木能婦(のぶ)像”という写真があり、「後西耕平の妻となる」とあるが、西田ケイの母親は、陸中水野藩士の娘、みよで、一致しない。
http://blog.goo.ne.jp/shunsuke-ayukawa/e/5a7d95a8eaa33f45546895c89f7de5b3
脇道に逸れるため、あまり追求しないが、この西田耕平はおもしろい人物である。商工会議所の設立に関係した割には資料がほとんどない。“西田屋文兵衛”で検索すると二つほど、文献があるが、かなり国際的な商人で、上記写真を彷彿させる人物のようである。生まれが、大畑村、田名部で商家、函館で活躍などは、西田耕平—西田屋文兵衛—西田ケイの路線は繋がるように思われる。むつ市の郷土史家からの情報を待つ。

*1/17 本ブログについての指摘があり、上記写真の説明は間違っていましたので、説明文を変更しました。写真は横山松三郎の自画像でした。”西田耕平”あるいは”男性像(大紋姿の男)”は探すことができませんでした。

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