以前、欧米の若者に人気のあるコンチキツアーというバス旅行を紹介した。35歳以下の若者が現地、例えばロンドンに集合してそこから、いろいろな日程があるが、2週間、ヨーロッパのあちこちをバス旅行する。
同じ土地には1、2泊しかしないが、それほど高いホテルに泊まらず、全体の費用もそう高くない。何より、世界各国から集まる参加者との旅行期間中の交流がウリで、このツアー終了後はみんな友達となる。これはいい旅行方法と思い、それでは日本のコンチキツアーと調べると、二つのコースが見つかった。
ひとつは“ Japan –city to slopes ”という12日のコースで、大阪に二泊、京都に二泊、東京に三泊と、なぜか白馬に四泊し、費用は3720ドルと高い。12食の朝食は値段に入っているが、その他の食事は各自でとる。もうひとつは“Japan Unrivalled”という13日間のコースで、東京に三泊、箱根に一泊、高山に二泊、広島に二泊、京都に二泊、和歌山に一泊、大阪に一泊となる。費用はこれも4589ドルと高い。
他のアジアツアー、例えば、”Asian Adventure”では、タイとベトナム、カンボジアを回る16日間の旅で1972ドル、ベトナム一周の12日間の旅で1496ドル、インド一周の12日間の旅で2095ドルと安い。確かに他のアジア諸国に比べて日本は物価が高いが、それでもヨーロッパの12日間、9カ国のツアーで1684ドル、アメリカ、14日間で2003ドルと、このツアーも目的は若い連中がバスで安い旅行をするものである。他のコンチキツアーに比べて日本のコースがかなり高いのがわかる。これではおいそれと若い連中が日本に来て参加しようとは思わないであろう。
ここで作年の外国人旅行者の日本での宿泊場所と人数を挙げると、一番多いのは東京都で1806万人、続いて大阪府1026万人、北海道692万人、京都府482万人、さらに沖縄県が448万人と多い。それに対して、北東北三県を見る青森県が16万人、岩手県が13万人、秋田県が6万人と非常に少なく、三県合わせても沖縄の1/10にも達しない。韓国、台湾、中国からの距離が遠いこともあるが、知名度が低いことが原因であろう。
ここで人気のない北東北三県に注文したいのは、北東北三県を回るコンチキツアーのような外国人用のバスツアーを開設してほしい。バスは長距離走るので豪華バスであったほしいい、旅行中ずっと帯同する英語のできるガイドが必要だが、泊まるところは安いビジネスホテル、場合によってはラブホテルでもいいし、県や市の公共宿泊地や寺、神社でもよい。こうすれば10日間の旅でも宿泊費は7万円程度、バスのチャーター費100万円を加えても、50名集まれば、1500ドルくらいのツアーが企画できそうである。さらに三県で旅行者一人あたりに5万円くらい補助がでれば、もっと安くなり、利用者は増えるだろう。
東京駅集合、そこから宮城県の仙台市、松島、そこで一泊し、岩手県の平泉、盛岡市で一泊、十和田湖に一泊、青森市、弘前市を巡り、そこで一泊、さらに秋田市で一泊の計5泊くらいでどうだろうか。少し余裕を持つなら仙台、弘前に一泊ずつ追加して、7泊8日、朝食のみ1500−2500ドルは難しいだろうか。できるだけ安いホテルでもよいし、夕飯はない、朝食もコーヒーと菓子パンくらいで十分である。ただ日本旅館は一日、二日はよくても畳で寝るのは疲れるため、ベッドのところがよい。例えば、弘前市の相馬ロマントピアは少し郊外にあるが、コテージなどもあり、みんなでバーベキュパーティーをすれば朝、夕食、宿泊込みで一万円で十分であろう。他の県にもこうした公共宿泊設備はあるだろうから、そうした施設を利用すれば、安くあげられる。
北東北四県の観光課が、企画を練ってコンチキツアーとコラボすれば、若い外国人を主体として面白い旅行プランができそうである。
0 件のコメント:
コメントを投稿