2017年7月17日月曜日

大相撲 宇良

関西学院大学卒業時の宇良

 大相撲で前頭四枚目の宇良が横綱、日馬富士から金星を挙げました。土俵後のインタビューでは感極まって泣いていましたが、これまでの苦労を思い出したのでしょう。

 宇良を初めて知ったのは、「マツコ有吉の怒り新党」で特集が組まれ、その多彩な組み手に驚いたものでした。その後、木瀬部屋に入門し、大相撲に挑戦することが決まり、ここから応援することにしました。たまたま娘とは大学が同じで(関西学院大学)で娘は経済学部、宇良は教育学部でしたが、卒業式は同じ時間でしていましたので、直接、宇良の姿を見ることができました。すでの学校初の大相撲というとことで注目され、多くのマスコミが集まっていましたし、一人だけ着物姿で入学式に出席していました。さすがに力士だけあり、大きな体ではありますが、身長も低く、力士としては体重は少ないように思いました。

 二年前の三月場所に序の口からスタートし、すぐに優勝し、その後も順調の昇進していきました。割と早い時期からファンが作った「宇良関」宇良和輝さんを応援するページというサイトがあり、ここでその日の取り組みの動画を挙げていました。場所中は毎日、その結果を見ていましたが、序二段、幕下とも優勝決定戦で負け、なかなか優勝こそありませんが、ずっと勝ち越しで順調に番付を上げていきました。

 ただ途中、さすがに大柄で体重の重い力士が揃う十両では、一度負け越しがあります。それでも、体重を増やし、入門時110kg程度の体重も最近では140kgくらいまで増やしている。当初は、マスコミで話題になったものの、相撲の専門家からはとても大柄な力士が大勢を占める大相撲では通用しないと言われていました。その後、序の口、序二段などで勝つようになると、フアンサイトでも怪我、それも大怪我を心配する声も大きく、十両で唯一負け越しと時も、かなり大きな怪我をしながらの出場でした。宇良は非常に頭のいい力士で、できるだけ大相撲で長く取ることができるように、体の柔らかさと押し相撲を中心とした怪我の少ない取り組みを目指しています。今場所の取り組みも押し相撲が多く、怪我をひやっとする場面はないが、これからも一番心配な点です。相撲博士こと旭国、サーカス相撲の栃赤城、技のデパート舞の海など、小兵力士の活躍はいつになっても面白い。大柄な力士に勝つと胸がスッとします。

 最近の大学生力士の多くは、幕下あるいは三段目付け出しでデビューし、宇良のように大学を卒業して、一番下の序ノ口からスタートすることは少ない。私も知らなかったが、大相撲は序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両そして幕内となる。テレビ放送は幕内から放送するため、ここに上がるのがいかに大変からわからないが、比較的順調に進んだ宇良でも丸二年間かかっています。東京農大から角界入りした豊山は三段目付け出しからスタートして三段目、幕下を優勝、一年で幕内に入っています。また遠藤は日大でアマチュア横綱となったため、幕下付け出しからスタートし、二場所で十両へ、そこで優勝して、四場所で幕内に入りました。将来を期待された力士で人気があるが、怪我に悩まされ、最高位で前頭一で三役にもなっていません。

 宇良の今後は、全くわかりませんが、この力士は角界の中でも最も頭がよく、素直で稽古好きです。相手に掴ませない宇良独特なスタイルを確立してもらい、できれば大関くらいになってくれれば最高です。甲野善紀という古武術の先生がいます。この古武術を野球やバスケットに応用していますが、個人的には大相撲が最も活用できる分野と思います。相手の力の中心をはずす、これは今でもかなり出来ているのですが、もっと洗練して、大相撲史でも歴史に残る力士になってほしいと思います。

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