以前から、ブラタモリが弘前に是非来てほしいと願っていた私としては、放送のある7月8日が今から待ち遠しい。番組自体の奥が深く、こうした旅番組を多いが、その中でも面白さは傑出している。そうしたこともあり、ここ数回の視聴率をみても11.5%から16.2%と高く、全番組のトップ10に入っている。7時半というゴールデンタイムでは、家族で見ている可能性が高く、6/10の世帯視聴率、13.9%を、全国の世帯数5000万世帯、掛ける平均世帯人数2.59人にすると、1700万人がこの番組を見ていることになる。さらにこの番組は、最初か最後まで見ているひとが多く、知名度は非常に高い。私の知人も、ブラタモリ奄美編をみて、奄美に行ったが、こうした番組を通じて舞台となった地域に興味を持ち、旅行にいくひともいるだろう。観光効果もかなり高い番組の一つである。PR会社では、こうした番組と同じ効果を上げるにはどれほど宣伝費用がかかるかを計算するが、おそらくブラタモリによる弘前の観光宣伝効果は、1億円は優に越えるものであろう。
例えば、弘前市が作った多くのPR動画のYou-tubeの閲覧回数を見ると、「魔法が使えるかもしれない街 弘前 —HOROSAKI—」で43000ビュー、花見を中心にしたディスカバーニッポン「桜吹雪の弘前公園」が325000ビューと多いが、他の動画はせいぜい数百から数千ビューに留まる。ブラタモリの視聴者数に比べると二桁ないし三桁少ない。ちなみに弘前市が全面的にサポートしたアニメ「ふらいんぐうぃっち」の青森以外は深夜枠で、視聴率は1%を越えることはない(おそらくは0.5%以下)。さらにブラタモリの番組書籍も一巻あたり10万部近く売れており、他の宣伝媒体に比べても大きな価値を持つ。最近放送された名古屋では、この放送による経済効果を3億円と試算している。観光客の増加によるものであろう。
こうしたこともあり、放送があった各市町村は、番組の恩恵を最大限得ようと積極的な広報活動をしている。例えば、名古屋では、「ブラタモリを観ましょう」パンフを1万枚製作し、市民に配り、大型のポスターを市内あちこちに貼り、さらには撮影のあった名古屋城には顔出しパネルを設置している。名古屋タワーでもイルミネーションによる広告をした。また本日、放送のあった大宮は鉄道をテーマにしているためか、大宮駅ロビーに数メートルの超大型バナーがつり下げられ、また埼玉県内の駅のほとんどに大型ポスターを貼り、電車内ビジョン広告でもがんがん流している。町中にポスターが貼られている。
それに比べて今回のブラタモリ弘前では、弘前市の観光振興部はどのような活動をしたのだろうか。1週間後の放送になろうとする現時点でも、残念ながら私にはまったく聞こえず、ほとんど無視に近い。今回の件でも、組織内部での対応に問題があったと推察されるが、そうしたことは私も含めて外部からは見えないことであり、結果だけ見れば、重要な観光媒体をみすみす逃したことになる。残念なことであり、プロセスの反省が求められる。
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