昨日、弘前パークホテルで、青森市、八戸市、弘前市のペンクラブ三市交流会があった。「須藤かく 日系日本人最初の女医」というタイトルの講演を行った。半年ほど前から弘前ペンクラブの齋藤会長から依頼を受け、それなりに準備をして臨んだ講演会だったが、一人空廻りして、あまり面白くない内容となり、反省している。いつも思うのだが、人前ではなかなかうまくしゃべることができない。もう少し、笑いを交えた講演会にしたいと思うが、どうも苦手でうまくいかない。
その中で津軽人の特徴をまとめてみた。講演時間が少なくて、講演会では飛ばして説明したので、もう少し解説を加えたい。
進取の気風 新しいもの好き(飽きやすい、えふりこき)
飛躍 東京に行くより海外(計画性がない、行き当たりばったり)
連まない (自分勝手、歩調を合わさない)
立身出世に無頓着、へた(経済感覚がない、商売が下手)
我慢強い(あきらめも早い、頑固、じょっぱり)
言い出したらきかない(人の言うことを聞かない、謝らない)
例えば、“言い出したら聞かない”というのは、利点としてみることも出来るが、一方では“人の言うことを聞かない、誤らない”となる。津軽人の場合は、どちらかというと、後者の欠点となる場合が多い。津軽の会議、あるいは集まりでは、必ず、反対意見をする人が一人いる。こうした人の意見を聞くと確かに一理はあるものの、他の人が賛成しているのであれば、別に反対意見に固守する必要はない。無難に流そうする気配はなく、あくまで反対する。こうした人が一人でもいると、それを無視して採決する訳にもいかず、結局、玉虫色の結論となってしまう。
同様に昔、診療所近くにコンビニが一軒もなく、不便であったが、ある日、近くにコンビニができた。付近の勤める人にも便利とみえ、小さなコンビニであったが、繁盛していた。ところがその1、2年後にはその繁盛をみて同時に三件のコンビニが近くにできた。お客さんは分散され、結局、その2年後にはすべてのコンビニが潰れた。一軒であれば、繁盛していたが、それが四軒になると分散され、経営的に無理だったのだろう。普通考えれば、近所に三軒もコンビニが同時にできれば、前もって情報が漏れるし、その時点で三軒も同時に開業したら無理なことはわかりそうだが、そこは津軽人、自分のところだけは成功すると変な自信を持つ。これなど“連んでいる”ように思えるが、各自が勝手に考えて行動した結果であり、決して色んな人に相談して決めたものではない。
津軽の人々のうち、最も津軽らしいのは詩人の福士幸次郎と、小説家の葛西善蔵、それに版画家の棟方志功を加えてもよい。本当に変わって人物で、個性的である。おそらくはまわりに非常に迷惑を掛け、嫌われていたかもしれない。それでもどうも憎めない側面があり、詩、小説、版画などの実際の仕事以上にその生き方は興味深い。こうした人物は、もはや津軽にはいないのかと、弘前ペンクラブの齋藤会長に聞くと、今でもまだまだいますとの答え。これからも津軽は面白い。
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