2017年10月1日日曜日

ヤマハ Venova



 ヤマハが新しく作った楽器、Venovaが届いた。以前から友人がアルトサックをしていたので、一度でよいからサックスを吹いてみたいと思っていたところ、子供のころ習ったリコーダなみに簡単のサックスを演奏できるVenovaという楽器がヤマハから紹介された。値段も一万円くらいで、手頃なため人気があり、発売は9月からなのだが私のところに届いたのが注文して1か月くらいたつ。

 早速、開封してみると、プラスティックでできたちゃちな楽器で、樹脂製のリードがすでに装着されている。早速、吹いてみると、ボーという音がでるだけで、血圧が上がるほど息を入れてもほとんど鳴らない。以前、友人のところでアルトとテナーサックスを吹かせてもらったことがあるが、それ以上に鳴らない。30分ほど練習してようやく、音がでるようになったが、どうもドレミのピッチがくるっている。さらに1時間ほど吹いてみると、ようやくある程度滑らかな音がでるようになったが、それでもピッチが半音ほどおかしい。

 その後も何回も練習するが、どうしてもピッチが違う。そこでアマゾンのレビューを見ると、葦製のリードを使って方が鳴りやすいというので、バンドーレンのソプラノサックス(21/2)を購入した。10枚で2419円。早速、新しいリードを取り付けるが、レビューでいう程、吹きやすくなるわけではない。ただピッチがとれるようになったのはうれしい。

 サックスなどのリード楽器の経験者からすれば、こうした楽器も簡単なのだろうが、私のように生まれて初めてリード楽器を吹くものにとっては、大きな壁が広がる。まず音がでない。簡単に鳴る時もあるが、吹く量の20%しか音が出ていない、非常に非効率的な音の出し方で、すぐに疲れる。さらに最初のうちは容易に音が鳴っていたのが、唾液にぬれてベトベトになるとまた鳴らなくなったりする。リードが本当に敏感で、やっかいである。さらに意外に音が大きく、近所にも聞こえるかと心配している。幸い、今は秋となり、窓を閉めれば、それほど音は漏れない。

 こうしたリード楽器を簡単に楽しめる楽器は、人気が出て、売れるだろうが、もともとリード楽器の難しさは、指使いもあるが、その前にきれいな音を出すことで、その点、このVenovaもサックスのようなリード楽器と同じで、簡単に吹けない。これならAkaiやローランドの電子楽器の方が値段は高いがよほど初心者向けと思われる。ヤマハも初心者向けにこうした楽器を発売するなら、その期待に裏切らないようにリード部分ももっと吹きやすいものにすべきである。とりわけ内蔵する樹脂製のリードは、リード楽器経験者でも音がでない、ピッチがとれないなど不評であり、もう少し吹きやすいリードにすべきか、あるいは構造そのものを変えるべきであろう。

 さんざん悪口を書いたが、実際に吹いてみると、なかなかうまく吹けないことがかえって面白く、近所迷惑、家内にもいやがられているが、下唇の裏をはらしながらも練習していて楽しい。取りあえず、教則本の曲をすべて吹いてみたが、ぼろぼろの状態で、何十回に一回くらいうまく吹けると本当にうれしい。今は、“Fly me to the moon”をなんとか吹けるようになった。ただ"翼をください”などは簡単な曲だが、キイとなるファ#が全く吹けない。無理です。

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