2024年2月15日木曜日

1/30 ミニチュア自転車 婦人用ミキストフレーム

 






いまだに診療の合間をみて自転車の模型を作っている。ロードレーサについては、ほぼ製作方法が完成してきたので、ここらで違うタイプの自転車を作りたい。

 

まず思い浮かんだのが、日本でも人気の高いアレックス・モールトンの模型化である。一応、図面を書いて計画を練ったが、モールトンの独特なトラス構造のフレームの製作が難しい。ここを綺麗に真似しなくてはアレックス・モールトンにならない。最初は0.4mm線を駆使して作ろうと考えたが、あまりにろう着箇所が多く、諦めた。製作に慣れた段階でもう一度トライしてみたい。

 

そこで婦人用の自転車を作ろうと考えた。もちろんややクラシックタイプのものが好きなので、ミキストと呼ばれるフレームのものを作ろうと考えた。ミキストフレームの自転車には思い出がある。大学生になってロードレーサに乗り回していた時期、実家に帰ると白馬にある小さな別荘のための自転車が欲しいという。当時、サイクルマガジンという雑誌を購読したいたので、それに載っていた阪神尼崎駅の南側にあった自転車店を訪れた。完成車でも良かったが、そこに赤色のミキストフレームがあったので、値段を聞くとそれほど高くないので、それにできるだけ安いパーツで製作してもらった。当時で5、6万円くらいであった。そのまま白馬の別荘に送り、そこで使っていたが、別荘を売った時には誰かにあげた。

 

フレームとしてはダイヤモンド型が力学的には最も強く、男性用のロードレーサーはほとんどこの形であるが、女性、スカートで乗るためには跨ぐ部分のフレームを下げなくてはいけない。そのため細いフレーム2本で強度を出したのが、このミキストフレームである。後方部にかけて湾曲しているタイプもあり、こちらの方がよりレトロ感があるので、1950年代のフランス、プジョーの女性用自転車を参考に作った。ほぼロードレーサーと同じ工程なので、製作は比較的容易であったが、問題は前輪、後輪の泥除けである。これがないとどうも女性用自転車らしくない。

 

この泥除けの制作が難しい。というのは、真鍮板を円形に曲げるのは容易であるが、それを内方に折り曲げるのが難しく、何度やってもうまくいかない。缶バッジのパーツも使えそうだが、これも強引に内方に折り曲げられている。そこで金属による再生は難しいと判断した。まず粘土のようなスプリントレジンを使って作るとうまく三次元的に丸くできた。ただこれをバーで削っていってもシャープにならない。次にスプリント用の一番薄い板を使って歯科用バキュームフォーマーで製作してみた。まずシートを熱して、それを車輪に使った金属リングに直接当てて、手で密着させていく。手袋をしても熱いし、せいぜい90度程度の泥除けがいっぱいであった。ただかなりシャープなものができた。さらに即時重合レジンで帯状のものを作り、それを金属リングに押し当てて形成することもしたが、これもシャープにはなれない。妻からディスポのスリーウエイシリンジチップを使えばというので、これを使うとうまくいった。プラスティックのチップは中に芯が入っているので、熱いお湯に入れると三次元的に細工できる。この半分を削って芯をとり、泥除けパーツとした。サドルはドロップからセミアップハンドルにしたが、これは簡単であった。ペダルはプラスティックを削り、ハンドルグリップは1.0mmの真鍮パイプを使った。

 

女性用の自転車は、金属以外の部品も使用しているので、模型屋でエナメル、ラッカー塗装を買ってきて、塗装した。サーフェイサーをざっと吹いて、ラックでまず塗装して、エナメルでポイントを入れるのは、プラモデル製作と同じである。

 

完成品はいまいちであるが、少しずつ違ったタイプの自転車を作ってみたい。最終的には自転車好きの方から愛車の写真を送ってもらい、それに似たミニチュア自転車を作れば喜ばれると思う。YouTubeやネットでミニチュア自転車自作で検索したが、金属線をろう着して作ったものは少なく、これに関しては独自のものなのだろう。一般の人が、ろう着用バーナーで銀ロウを使って金属同士をくっつけることは多分できない。ロウ着による金属の接合は、接着剤に比べて圧倒的に強度が強く、インテリア小物にも向いている。ただ塗装をすると、金属をロウ着して作ったように思われないので、塗装なしの方が良いのかもしれない。



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