2009年4月17日金曜日
2Dリンガルブラケット
4月14日に帰省を兼ね、大阪でフォレスタデントの主催するシンプルリンガルシステムのコースを受けてきました。講師はイタリアのCacciafesta先生で、非常にわかりやすい英語でした。
このブラケットは以前から出ていたのはわかっていましたが、構造があまりにシンプルすぎて、とてもこんなんじゃ治せられないだろうと考えていましたが、今回の講習会を受けて、症例を選択すれば結構いいものだと思いました。非常にシンプルな構造のため、小さく、違和感、発音障害も少なそうですし、ワイヤーとブラケットの摩擦も少なく、でこぼこもかなり早く治りそうです。下の前歯のでこぼこでは、唇側に比べてブラケット間の距離がどうしても舌側では小さいため、改善しにくいものですし、ブラケットが大きいとでこぼこした歯には付けられない欠点がありました。
このブラケットは小さい上にそれを半分にして使うことでかなり捻れた歯にも付けれますし、何よりいいのはブラケットの種類が1種類しかいらないことです。現在のストレートワイヤー法ではすべての歯ごとに違った種類のブラケットが必要ですので、かなりの在庫が必要です。それに比べてこのブラケットは一種類でOKなわけで、結紮する必要もなく、シンプルなものになっています。
リンガルブラケットについては20年ほど前に使ったことがありました、治療期間がかかること、操作が複雑なこと、治療結果が満足いかないことなどから、その後は全く使っていませんでした。患者さんにも当院では舌側矯正はしていませんと説明していました。ところが最近では結紮を必要としないセルフライゲーションブラケットやかなり小型のものを出て来て、以前に比べてはかなり使いやすいものになってきました。一方、模型を技工所に送ると患者に合わせたブラケットとワイヤーが送られてくるシステムもごく最近、日本でも使えるようになりました。ところが技工料が半端でないくらい高く、最終的なかみ合わせには必ず、ワイヤーを個々の患者さんに合わせる必要があると考えている私にはどうしても1本のワイヤーでOKとは信じられません。
むしろこの2Dブラケットのように非抜歯の簡単な症例にのみ使い、ワイヤーをある程度曲げるやり方の方がいいのかもしれません。またトルクを多少加えることができる新型ブラケットとヒロシステムおよび舌側インプラントをうまく使えば、もう少し適用も拡大できるかもしれません。
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