2009年7月7日火曜日

小林秀雄先生来る



 近所の紀伊国屋書店で新潮社「小林秀雄先生来る」(原田宗典著)を買いました。昨年、壱組印「小林秀雄先生来る」で公演されたものの舞台本ですが、正直に行ってあまりおもしろくありません。舞台で演じてこそおもしろいのですが、本で読むとそれほどおもしろさが伝わらないせいだと思います。青森の寒村に文学界の巨匠評論家の小林秀雄が来る、村人はどんな人かわからず、全く興味ない一方、文学好きの同士は驚喜してその訪問を緊張して迎える、このこっけいな有様がテーマーです。本当の小林先生が来たかどうかはわかりませんが。昔、鹿児島県のトカラ列島にヨットで現東京知事の石原慎太郎が来た時、島民は誰やあのいばった奴はと、水も食料も与えなかった話や、紀子さんのお父さんが宝島に蝶を捕りにきた時も変人が来たと無視した話を思い出します。

 サッカー部の友人の大谷薫平くんがこの壱組印のディレクターをしたりしていることと、舞台が青森の西海岸だったので思わず購入しました。薫平くんのお兄ちゃんの大谷亮介さんが舞台では小林秀雄を演じているようです。

 年に一度、私が日本臨床矯正歯科医会の総会に行く2月に東京在住のサッカー部の同級生に会うことにしています。もう4.5年になるでしょうか。毎年、スペシャルゲストで他のクラブの同級生を呼んでいますが、昨年はバスケットボール部のサントリーの横山くんにゲストで来てもらいプレミアムモルトの飲む方を教えてもらいました。あまりの熱の入れ方に横山くん自身が最後にはダウンしてしまいました。今年は、ボストンコンサルティングの御立くんに来てもらいました。御立くんは陸上部でしたが、お互い尼崎から学校に通っていたこともあり、入学早々メンチを切る間で、不思議な関係です。「御立の本は売れているようなので、薫平に関連した本を買った」。御立くんの経営の本はずいぶん売れています。「薫平、この前読んだ「小林秀雄先生来る」だが、ずいぶん青森の描き方がうまいなあ?」と聞くと、「壱組印のメンバーの中に青森の深浦のひとがいるからだよ」とのことでした。どおりで方言の使い方がうまいのが納得しました。薫平くんは広告会社を経営しているかたわら、兄の劇団の手伝いをしていますが、公演をやるたびに赤字で、できたら公演してほしくないとぼやいていました。弘前は演劇関係者にはよく知られたところのようで弘前劇場は有名なようです。お兄ちゃんの大谷亮介さんはサッカー部の先輩で、現役当時は本当に華麗でかっこいいプレーヤーでした。国体選手にも選ばれ、今だったらプロの選手になっていたかもしれません。ちょくちょくテレビにも出ています。できれば弘前でも一度公演してほしいと思いますが、また赤字になるのでしょうね。

 この歳になると、先生やさん付けされないちゃんや名で呼び合う仲間も少なくなりました。そういった意味で、高校の仲間と飲むのは本当に楽しい一瞬で、今は会社で偉くなったやつでも嬉々としてみんな焼酎を作っています。小津安二郎の映画にも同窓会のシーンがよくでてきますが、苙智衆がつい飲み過ぎになる気持ちがわかります。

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