私には二人の娘がいて、同じような教育をしてきたが、性格が全く違う。顔形(かおかたち)は遺伝的な影響を受けるのはわかるが、性格が遺伝するのはどうも信じられないが、生まれつきの性格はあるのだと考えたくなる。ただ性格については、遺伝的な要素はあったとしても、環境的な影響はそれ以上に大きく、どのような時代、あるいは家族で育ったかは性格に影響する。
ある調査によると「素直でまっすぐな人と一緒に過ごしたいですか」という問いに、「とても魅力を感じる」が65.3%、「どちらかというと魅力を感じる」が25.3%と合わせて90%以上が素直な人に好意を持つようだ。こうした性格は、社会において得をすることがわかる。
であるなら自分の子供が素直な性格に育って欲しいというのは、多くの親の希望であるが、残念ながら自分の子供のことを含めて私の家は該当せず、難しいものだ。ただ素直な性格の人を見ていて共通のことがあるように思われるので、あくまで個人的な感想であるが、述べたい。
1.お金に困らない家庭で育つ
確かに家が貧乏でも素直に育つ子供もいるが、どうしても金のことで家族がギクシャクして、ひねくれた性格になることがある。また親、特に母親も生活に追われて子供に愛情を注ぐ余裕がなく、愛情を知らないで育った子供の場合、素直になりにくいだろう。一方、お金持ちというと韓ドラでは性格の悪い人物が登場するが、実際のお金持ちの子弟は、いわゆるお坊ちゃん、お嬢ちゃん育ちでのんびりした素直な子も多い。率としては貧乏な家庭より金持ちの家庭の方は素直な性格の子がいる割合が高い感じがする。
2.母親が素直でいい人
今でこそ共稼ぎで、母親も働く家庭が多いが、以前は母親が家にいて、子供に接する時間は父親より母親の方が圧倒的に高かった。そのため、母親の性格が子供に反映されることが多かった。母親がいわゆるいい人で、表裏のない素直な性格であれば、子供も同じような性格の場合が多い。今は父親の存在も大きいかもしれないが。
3.親子の会話が多い
待合室を見ていると、本当に親子で会話が多い家族がいる。小学生だけでなく、高校生になってもずっと母親、父親としゃべっている。おそらく家でも会話の多い家族なのだろう。こうした家庭では素直な子供が多い。学校で起こったことなど何でも話せる家庭なのだろう。
4.進学校に行っている
私は兵庫県の私立六甲学院という中高一貫の進学校に通っていたが、素直でいい子が多かった。もちろん不良などは一人もいない。さらにいうと女子校の場合はもっとそうした傾向が強い。多分、東京聖心や学習院などのお嬢さんの学校では、いい子が多いのだろう。同じように私が住む弘前のような地方でも、学校ランク順に素直な子が割合に差がある。弘前高校に多い。素直な子は勉強ができるので、こうしたことになるのだが、逆に周りの友人による影響も大きい。
5.挨拶ができる
素直な子は、診療所に入ってきてもしっかり挨拶ができ、理解、返事もしっかりしている。予約時間を守り、歯磨きもきちんとし、ゴムもしっかり使う。結果的に早く治療できる。逆に素直でない子は、平気でGoogleで星一つの評価をし、ばれて親にいうと親も逆ギレする。ここまで書いてきて、素直なので、勉強ができ、態度もよく、結果、お金持ちになり、いい家庭になるのか。なら結局は遺伝なのか。
大谷翔平選手は、高校時代の恩師から「ゴミを拾うことは運を拾うことだ」という教えを聞いて、今でもグランドのゴミを拾っている素直な性格だ。彼ほど誰からも好かれるスポーツマンは少なくないが、人の話をきちんと聞く姿勢が素晴らしい。若い方は、どうか素直な性格になるように努力してほしい。
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