2018年1月7日日曜日

歯科医院の予約

Dentist appointment(歯科医との約束)に注意。Dental clinic appointment(歯科医院の予約)ではない

 歯科医院で最もいやがる患者さんは、予約をしょっちゅうキャンセルする患者さんです。前もって電話で来院できない旨を話していただければ、まだいいのですが、予約時間になっても来ない、無断キャンセルの患者さんが最も困ります。また予約時間に遅れる場合でも、15分の予約で5分ほど遅れるのはいいのですが、中には1時間以上遅れて来られる患者さんがいます。当然、きちんと予約時間に来られた患者さんを優先しますが、それでも一人待っていると思うと、その患者さんの治療を早めることになります。

 日本語の“予約”に相当する英語として、”reservation”、“booking”、”appointment”の三つがあります。海外では前者2つの違いは明瞭ではありませんが、最後の”appointment””reservation””booking”とは大きな違いがあります。

 レストラン、ホテル、映画館のような基本的には場所をキープするような場合は、”reservation”となります。ホテル、飛行機、電車などでは、1週間前のキャンセルは無料、3日前は半分、当日のキャンセルは全額のキャンセル料が発生するというシステムをとっている場合もありますが、この場合、1週間前までは”reservation”、キャンセル料が発生するようになってからは“booking”となります。”booking”の方が”reservation”よりより”確定“という意味が強いように思われます。よく飛行機のチケットを買う場合、最初に予約をしますが、日程が近づくと確定しないといけなくなります。この場合はまず”reservation”してから”booking”となります。”reservation”より”booking”の方がより強い約束となり、それを破る場合は金銭的な罰金が課せられることになります。

 “appointment”は、”reservation””booking”とは違い、場所と時間を決めて人と会うことを意味します。場所だけではなく、会う相手の時間をも拘束する行為となります。それ故、”reservation””booking”よりさらに強い約束となります。入社試験での役員面接で、そのAppoint 時間に行かなければ、自動的に不採用です。場合によっては、途方もない賠償金を支払う必要も出てきます。これは相手の時間当りの賃金をすべて払うことを意味し、その価値が高ければ払う金額も増えます。アメリカ人に聞くと、”appointment”というと一番連想するのは歯科医院の予約のことで、これだけは何としても守らなくてはいけないと考えるようです。どうしても無理なら電話でいけなくなった理由と次のアポイントをとるのが当たり前です。日本でも最近では、アポイント制をとる歯科医院が増えてきましたが、それでも平気でキャンセルする人はまだまだ多いと思います。またこうした患者さんは特定の人に集中するようで、何度も無断キャンセルを繰り返します。歯科医院によっては、無断キャンセルの場合は、キャンセル料を取ったり 、ものすごく怒られるところもあります。これは歯科医院ではないのですが、同様に無断キャンセルが困る美容院では2回無断キャンセルをするとその後の来店を断るところがあります。


 当院では、とくにキャンセル料をとったり、受付で怒られたりすることはないのですが、それでも少なくとも“前回は、無断キャンセルして申し訳ございませんでした”と謝ってほしいところです。どういう訳か、無断キャンセルを繰り返す患者さん(あるいは親)からはこうした謝罪はありません。今のところこうしたキャンセルを繰りかえす患者さんの割合は少なくて、問題にする必要はありませんが、数が増えれば、それに対応することになり、結果的にうっかり忘れた、病気で急に熱がでたが、キャンセルの電話をするのを忘れたといった滅多にない場合でも、キャンセル料を取られたりすることになります。“reservation””booking””appointment”の違いをよく理解する必要があります。

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