2017年9月1日金曜日

北朝鮮への反撃




 829日の朝6時、急に携帯電話が鳴るとともに、外でもサイレンがなっていた。北朝鮮からミサイル発射があって、こちらに向かっているとのことであった。眠気が吹っ飛んで、NHKのテレビを見ると、北海道、東北地方を越えてミサイルが飛んでくるということであった。最終的には北海道の東南沖に着弾したが、朝からぶっそうなことである。

 日本政府は、これまでのイージス艦によるミサイル防衛、PAC3に加えて、新たに陸上型イージスミサイル防衛を備えることを決めた。攻撃より防御の方がよほど金がかかる。陸上型イージスは一基、700-800億円で、全国をカバーするとすれば3セット必要で、しめて2000億円以上の費用がかかる。これでも最低限の防衛力で日本全土をくまなくカバーするにはミサイル施設、レーザー施設、警戒衛星など、おそらく数兆円の費用がかかる。一方、北朝鮮のミサイルは随時、場所を選ばず発射できるため、それを阻止するのは至難の技といえよう。

 最終的には、日米中韓の望みは、北朝鮮の核、ミサイル放棄と改革開放経済化であり、金王朝が崩壊して、集団的な指導体勢になれば、中国の指導のもとにそうした状況になるだろう。実際、中国の場合、鄧小平以前の時代は、現在の北朝鮮と似たような国であり、毛沢東の大躍進では一千万人以上の餓死者を含む犠牲者がでた。当然、北朝鮮の人々も現状に満足しておらず、できればよりよい生活、もっと具体的に言えば、韓国、中国、日本の人々の生活に憧れている。

 韓国の脱北者で作る団体は、2003年から風船にビラ、SDカード、それとドル、人民元を入れて、北朝鮮国内に散布している。これは効果が高く、北朝鮮当局もかなり神経を尖らせていて、風船を拾った者を処分したり、韓国にいる活動家を暗殺しようとしたりした。ただ韓国のおかしなところは、こうした運動に左派グループが反対し、取締られるようになった。そのため、現在では隠れるように民間のグループが細々と実施している。

 これは費用がかからず、非常に有効な方法で、風向きさえ予想されば、北朝鮮全域に風船を飛ばせる。例えば、一個の風船に10ドル札を入れるだけで、北朝鮮の人々はむさぼるように拾うであろうし、仮に一万個の風船を散布しても費用はしれている。またアメリカ、日本、韓国による北朝鮮向けのラジオ放送も有効で、多くの北朝鮮の人々は不法に聞いている。昔は韓国のテレビ放送を見ようとする者もいたが、今はビデオなどで韓国ドラマを見ている。日本海に海賊放送船を周回させ、韓国のテレビ放送を北朝鮮のテレビで見られるように電波を流すのも効果的であろう。また北朝鮮の防空網は穴だらけであるので、そうした穴に無人機や偵察機を飛ばすのも効果が高い。領土内に自由に他国の飛行機が飛ぶことは独立国としては耐えられず、必ず防御しなくてはいけない。そのためには常に防空体制を整備し、必要あれば飛行機をスクラッブル出動しなくてはいけない。それでなくとも石油のない北朝鮮は、こうした行動はきつい。同様に領海に漁船、護衛艦、潜水艦を侵入させ、その事実を公開すれば、対抗手段、すなわち領海での巡視が必要となり、また金がかかる。これに対する核、ミサイルによる反撃はできず、同じような手段による報復しかできないが、日米韓ともそうした報復は痛くもない。

 こうした北朝鮮に周囲の国、日本、アメリカ、韓国がさまざまな事でちょっかいをかけることは、経済的に苦しい北朝鮮にとっては、ミサイル発射で悩まされる日本以上に効果が高く、ミサイル防衛に費やす費用よりはるかに安くつく。攻撃は防御より金がかからず、日本政府もサイバー攻撃、宣伝戦、領空領海侵犯など、日米韓と協力して、防諜活動を積極的にする時期がきたのかもしれない。さらに言うなら、脱北者や中国東北部の朝鮮族に資金提供をして、北朝鮮内の暴動、破壊工作、反体制派の支援を図るのもいいし、日本国内の北朝鮮の工作員を金で裏切らせるのもよかろう。戦争を避ける方法と言えば、野党は外交、話し合いと叫ぶが、もう一つの方法としては、こうしたダークな活動がある。日露戦争における明石元二郎大佐のロシアでの活動は有名である。日本が国として真の自衛権を得るためには、こうしたダークな活動も平気にできるだけのしたたかさが求められるし、軍事予算的にもかえって安くつく。ただこうした活動源であるところの韓国が、全く北朝鮮勢力、左派に染められ、日米の思惑通りに動かない。衛星や無線傍受による情報収集は日米でもできるが、現地に入っての実際の防諜活動は、朝鮮語を話せる韓国人がもっとも適しているのだが。


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