2022年3月4日金曜日

「弘前歴史街歩き」 発行しました 2

 



「弘前歴史街歩き」は228日、月曜日に出版され、そろそろ一般書店でも置いているだろうと、近くの大型書店を見てきた。本を出す人は全てそうだが、自分の本がどれくらい売れるかはいつも心配で、書店での本の置かれ方も気になる。まず月曜日に個人的に親しいかくみ小路の「まわりみち文庫」に直接5冊持って行って、売っていただくことになった。かなり小さい店だが、本好きの人が集まるだけに、ここでどれだけ売れるかが、今後の売れ行きの予想となる。

 

水曜日には、弘前イトーヨーカドーのくまざわ書店弘前店を、見に行くと郷土コーナーのところに2冊平積みで置かれていた。平積みでは最低4から5冊は置くと考え、2、3冊は売れたとした。次にヒロロのツタヤブックストアに行くと、ここではまだ置いていない。若者が多く来る店なので、それほど本好きでない人にどれだけ売れるか気になる。

 

木曜日は、中三のジュンク堂に行ってみた。カウンター横の郷土本コーナーと歴史本コーナーに置かれていた。郷土本コーナーには1冊しかなかったので、これも勝手に3、4冊売れたと考えた。置かれている2つの本屋でこの1、2日で5冊ほど売れたならまあ順調だろう。

 

青森市のことを今東光の言葉を借りて少し冷やかしたので、おそらく青森市ではほとんど売れない。弘前市と弘前出身者に限定した本なので、販路は相当に狭い。周辺人口も含めて20万人、そのうち、本好き、歴史好きの人はおそらく2000-3000人程度と思われ、このうち、いざ税込で2000円の本を買うとなるとかなりの覚悟がいる。もう少し待って図書館で借りようと考えるかもしれない。1割の200-300人でも買ってくれると本当に嬉しい。

 

最初に出版した「明治二年弘前絵図」は絵図をCDに焼いて、それをおまけにして売った。直接、紀伊国屋弘前店に持ち込み、そこで売ってもらうことになった。毎日、仕事帰りに紀伊国屋書店により、残っている部数を数え、少なくなっていると20冊、また20冊と持っていき、最終的には400部くらい、紀伊国屋書店だけで売った。単一の本としては紀伊国屋書店弘前店の記録で、後にそうしたこともあり、30周年の講演に呼ばれた。次に出版した「新編明治弘前絵図」は、主として紀伊国屋書店で売ってもらったが、販売して1ヶ月で400部売れ、その後、500部印刷して半年くらいで計900部売れた。気を良くして、3冊目の「弘前人物グラフィティー」も売れるだろうとタカをくくっていたが、最終的には300部も売れず、結局、在庫を引き取って全て診療所の倉庫にある。その後、人にあげたりして、ようやく500部印刷して残り30冊くらいとなった。そして4冊目の「須藤かく」はさらにひどく、500部印刷して、1年間で結局、200部ほどしか売れず、その時点でギブアップし、全て回収して倉庫にある。横浜の図書館に寄贈したりしているが、いまだに倉庫に200冊くらいある。本の場合は、売れないと倉庫のゴミと化す。今回も500部印刷し、100冊は自己保有分として、残り400冊を書店で販売する。自己保有分のうちすでに40冊くらいはお世話になった方に寄贈した。

 

本を出したことのない人からすれば、本が売れると儲けているように思えるのかもしれないが、私のように自費出版している人にとっては、出版する本が全て売れても赤字となる。増版することでようやく少し黒字が出る。本の場合、印刷費以外にかなりの手数料がかかるため、500部といった少数印刷ではとても一般書店では売れない価格となる。そのため、勢い価格を下げて、赤字で売ることになる。それでも自費出版は趣味で行なっているので、多少の赤字が出ても気にしていない。

 

今日も近所の本を配った年配の方から、懐かしくて、面白かったとイチゴも持って挨拶に来られたし、電話での問い合わせもあった。こうした反応ほど著者にとって嬉しいことはなく、これがあるので本を出版する。ただ本の販売はそれこそ水物で、特に販売1ヶ月が重要で、その後、新聞などで取り上げられると一時的に売り上げが上がるものの、普段からこうした郷土本に興味がある人は早い段階で購入するので、半年を超えると、観光客や帰省客が弘前に来た時に購入するくらいで、ほとんど売れなくなる。何とか売れてほしいものである。

 

ほとんど全ての本屋で売っているし、青森図書でも通販で購入できるし、アマゾンでも近々購入できそうである。


4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

お世話になっております。
まわりみち文庫の奈良です。

『弘前歴史街歩き』早くも在庫がゼロになりました!

追加で補充いただきたくコメントを差し上げた次第です。
お忙しいようでしたら、取りに伺うこともできますので気兼ねなくおっしゃってください。


ちなみに、弊店のお客さんを通じて自転車屋のタケウチさんも購入してくださることになり、近日中に店舗の方へお届け予定です。

よろしくお願いいたします!


広瀬寿秀 さんのコメント...

他店も偵察していますが、結構、売れているようです。年配の方は懐かしいという感想を持たれるようですが、書いた本人はそうした気持ちは全くありません。補充の件、了解しました。月曜日にでも取りに来てください(9:00-18:00)。10冊お渡しします。よろしくお願いします。

匿名 さんのコメント...

おばんでございます。本日、運好く平積みの最後の一冊を購入いたしました。最後の一冊でしたので、その空きスペースは埋められるのかな?と気になった次第です。
そして、一気に拝読いたしました。ストリートに沿って街歩き風に案内していただいたので、かつてを思い出しながら、また確認しながら読み進めました。
「面白かった」「興味深かった」「教えていただいた」「納得できた」「感心した」「感動した」etc。
文献でお調べになったことだけではなく、フィールドワークで収集したことが織り交ぜられ、読む側に伝わりやすかったです。
膨大な参考文献に裏打ちされた一冊ですので、歴史学、民俗学などの視点から、後世に伝承される論文にもなるのではないでしょうか。余計なことかもしれませんが。
とにかく、私にとって良い本でした。ありがとうございました。

広瀬寿秀 さんのコメント...

コメントありがとうございます。本の発酵後も、弘前中央市場の閉店が決まり、次々と古いものがなくなっていきます。少なくとも、こうした思い出だけでも本書に残ればと思っています。ありがとうございました。